見出し画像

【おかやま親子応援プロジェクト】呼びかけ人のNPO法人だっぴの森分志学さんに想いを語っていただきました

様々な団体の方々が想いを持って参加している「おかやま親子応援プロジェクト」。今回は、「おかやま親子応援プロジェクト」の呼びかけ人の一人であるNPO法人だっぴの事務局長森分志学さんにオンラインでインタビューさせていただき、その想いを語っていただきました。

⇛「だっぴ」の活動を始めたきっかけについて教えて下さい

まず「だっぴ」とは、地元や社会への関心を高めたり、未来を考えるきっかけづくりとして、若者と魅力的に生きている大人との出会いの場を提供するプログラムです。

2009年頃に活動を始めた頃、若者と大人の間で深い溝があったように感じていました。そこで若者と大人がお互いを知る交流イベントを開催して、若者が「自分たちが知らない世界がこんなにあるんだ」と感じる機会を作ったのがきっかけです。

吉備中央町中学生だっぴ① (1)

⇛参加者の反応はいかがでしたか?

大人との交流を通じて自分の世界が広がり、人生が変わった学生たちを何人も見てきました。「自分たちの知らない世界」に触れて「無知の知」を自覚した、というような感覚でしょうか。

⇛活動のキーワードに「将来の進路」があるように思います。

会社に就職する以外の選択肢も探したいし、そもそも働くとは何かにモヤモヤしている若者が、自分の進路を考える上で、会社の先輩の話だけでなく、様々な経験を持つ地域の大人の話を聞く機会が進路を決める助けになると考えました。

⇛当初は大学生を対象に活動されていましたが、現在は中高生も対象にされていますね。

参加する大学生が徐々に増えてきて、参加していない人達にも様々な世界を届けたほうが良いと考えるようになり、中高生にも対象を広げていき、現在に至っています。思春期の中学生には、大人に対する固定観念があって、”大人=信じられない”という漠然とした気持ちがあるように思います。しかし、大人と話しているうちに、「あれ、自分と近しい」という感覚が得られ、普段と違う目線で、先生でも親でもない大人と接することで、自分を自分と認める機会を創出していると感じます。

矢掛高校生だっぴ2

高校生に対しては、いろいろな大人に触れて、将来の選択肢を増やして欲しいという思いがあります。実は、特別な人ではなく、この地域にいる大人たちは、それぞれに面白いエピソードがあり、人生を生きてきた魅力を持っています。身近な地域の大人に触れ、「ああ、それでも良いんだ」と思えることが、今後の人生の礎となるわけです。

⇛活動のサポートをする大学生もいるそうですね

大人と中高生の中間的な存在で「キャスト」と呼んでいますが、この中間的な存在が関係性をフラットにすることに役立っています。数年前に参加者としてだっぴの活動に関わり、なんとなく周りを気にしながら生きてきた学生が、今度は「だっぴ」の創り手となって、学生自身の成功体験を得ている感覚があります。自分自身(森分氏)としても心地よいサイクルができているように思います。

⇛今後の「だっぴ」の活動についてお聞かせください

現在、岡山県内の活動範囲は、約20校ですが、もっと増やしていきたいと思っています。生徒や学生が色々な大人たちと触れ合う機会を増やしてゆければいいなと。そして、その結果、人生をより豊かにするための選択肢を、生徒や学生が増やしていける、そんな活動を継続していきたいです。

画像3

⇛「おかやま親子応援プロジェクト」に期待していることはありますか?

中学、高校そして大学生時代に、体験活動に参加することが人生にとって重要な機会になっていますが、その体験活動に参加することは親の所得と関係があります。本来、所得と関係なく誰の前にも機会は訪れるべきですが、ひとり親や困窮世帯では体験活動への参加が様々な要因で制限されてしまうことがあります。そういった環境の子供たちへアクセスする機会が増えることを期待しています。

---編集後記---

筆者もこのインタビューの約10日前に、「中学生だっぴ」にオンラインで参加し、中学生・大学生に自分自身の経験を伝える機会をいただきました。その際に、中学生や大学生のときに自分の周りにいた大人と違う、「ナナメの関係」の大人として、自分自身が「中学生だっぴ」の会に存在していた事に気づきました。筆者自身もこれまで右往左往しながら人生を渡ってきましたが、森分さんの話の中にもあった、上手に「右往左往」しながら自分自身の「正解」にたどり着く、そのような次の世代が増えてほしいと願っています。

この「だっぴ」の活動を通じ、次の世代の人々が、一つではなく複数の灯台に照らされ、自分にしかない正解を見つけていく、そのような機会が増えていくことを期待しています。

< 楽天 / 中村 敦 >