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子どもたちの身体をどこから守ろう

こんにちは、NPO法人HEROのツカジです。

前回の投稿で、病院事業についてお話させていただいたのですが、今回はもうひとつの活動についてご紹介させていただこうと思います。

もうひとつは、農村部の子どもや大人の方達向けに、予防医療活動を行っています。そして、その活動費用は、前回ご紹介させていただいた「ホテルドクターサービス」の売上の一部でまかなわれています。


初めてカンボジアに来たときに、農村部の子ども達にとって何が問題で、どんな活動が必要とされているのか、まずリアルな現状を知るために小学校単位で健康診断を始めることにしました。

身長・体重から成長曲線を割り出し、小児科医師の総合的な診察を受けられるようにして、子どもたちが現在抱えている身体の問題や、問題になる生活習慣を探っていくことからはじめていきました。


WHOで打ち出されている成長曲線では判断基準にならないくらい、年齢からみる基準に満たない(低身長・低体重)子どもたちが7割以上を占めていることが明らかになり、何かしらの症状がみられる子どもたちが6割以上という結果になりました。

十分と言えない衛生環境で生活しているためか、腹痛を訴える子ども少なくなく、また虫歯によって痛み止めを希望する子どもたちも多くいました。
手足を見てみると、怪我の後の処置が不十分(もしくは自然治癒のみ)だったのか、栄養状態が悪いのもあるのか、傷跡が残っている子どもたちも見受けられ、日常に医療の存在が身近ではない場面が想像させられました。

実際にカンボジアでは医療に対しても保険制度は無く、病院を受診するなら全額負担だという社会的な問題や、病院まで行くのに交通費(家庭によっては生活費を圧迫してしまう程の割合)をかけて行かなくてはいけないということもあり、農村部の方にとっては決して医療が身近なものではないという状況でもありました。

一時的な症状に対しては、数回・数日分のお薬は渡せるようにしていましたが、治療目線で考えると、どこまで関わっていくのかという課題にもぶつかり、それではいつまでたっても根本的な問題や課題は解決しないということに行き着き、頭をスイッチして「病気に罹りにくい体作りをしよう」と予防医療の方向に力を入れていくようにしました。


腹痛などの原因を聴いていると、家庭での手洗いやうがいの習慣が不十分であったり、雨水を使用して生活をしていたり、寄生虫の疑いがあったり。。。
歯の痛みだと、十分な歯磨き習慣が根付いてなかったり、そもそも歯ブラシを持っていないなどの、問題の裏側が。。。


水道の蛇口を捻れば、公園でさえも綺麗な水が出る日本とは大きく異なり、家庭や地域での衛生環境をどうカバーしていくかは大きな課題ですが、まずは日常の中で取り入れる事の出来る衛生習慣を子どもたちに着実に身につけていくことが出来るように、HEROの予防医療活動の奮闘記の始まりです。


NPO法人HERO
ツカジ


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