様々な分野の大人と出会える空間を、学校内につくる。
矢掛高校にて実施している「career lab」。コロナ禍で始まったこの取り組みは、当初オンラインで高校生と県外の大学生が進路についてなどおしゃべりする放課後の時間として実施していました。
2022年度は備中県民局との提案型協働事業として、対面で大人と交流する空間としてブラッシュアップし、企画運営を行っています。
概要
放課後の時間(1~1.5時間)を活用して、空き教室に大人と高校生が交流できる空間をつくっています。
高校生は希望者が参加し、毎回5~10人くらいの規模で、大人1名をゲストとしてお呼びしています。月1回のペースで9回実施して、参加者は延べ50人でした。
進行方法
まずは大人から仕事やこれまでの歩みを情報提供してもらって、そこから高校生の問いかけで大人のキャリアについて話を深めていきます。
進学先や就職先といった具体的な行き先(仕事)を知る機会ということはもちろん、大人の生き方の事例を通して、自分の大切にしたい価値観を考える機会にもなるよう心がけています。
運営はスタッフ1名と補助として大学生1~2名が担当しました。
ゲストの大人たち
過去にゲストで参加してくださった大人の方を一部ご紹介します。
高校生への影響
参加した高校生にはどのような影響があったのか。アンケートの感想をもとに、効果を類型します。
自己探究:自分の(既存の)価値観が揺さぶられ、考えが再構成される
社会探究:関心分野についての固定観念が揺さぶられ、世界が再構成される
マッチング:自己と社会の関係性を確かめる
どんな点をよいと感じるか
高校生(学習者)目線では、どんな点をよいと感じているのかもアンケートで回答してもらいました。
人生の先輩である大学生や大人と話し合って、アドバイスを貰ったり、話を楽しんだりすることができる。
趣味のことや大学のことなど様々な話を気軽に聞いたり話したりすることができて、他の人の考えなどが知れるので、すごく面白いし、楽しい。
自分が知り得なかった物事と関われて、いろんな大人と話せる
自分の今考えていることを相談できる
自分の関心がなかった分野にも触れられて、視野が広がる
大人という、自分の世界の外にいる存在に触れたことがよかったとする意見がありました。また、その「触れる」という体験は、(one of themではなく)まさに対峙してコミュニケーションできたという、自分と他者とが「関係するーされる」行為であった点も体験価値として大きかったのではないでしょうか。
こうした場がある意味
career labは学校や生徒にとってどんな価値があるのか、矢掛高校の吉岡先生から現場の声をお伺いしました。
学びとは、自分の自明性の外に気づくことだと言えます。その意味で、高校生が異なる他者と関わり、自分の世界が「外側」から揺さぶられることは大切です。しかし、こうした場を学校の先生だけでつくるには以下の障壁があります。
こうした壁を乗り越えるために、私たちNPOだっぴが本事業を行い、高校生の学びをサポートしたいと思っています。
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