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公民館と地域の力でつくる「中高生だっぴ」!

2023年6月17日(土)、岡山市立高島公民館にて「高島だっぴ」が開催されました!

この記事では、地域の力で開催された「高島だっぴ」がどのような物語を辿ってつくられていったのか、担当された公民館職員の小槇さんの目線で振り返っていきます。


実行委員の体制

今回が初開催となる「高島だっぴ」は、高島地区(岡山市)の有志の実行委員会の皆さんが企画運営を行いました。実行委員の伴走に高島公民館さんが、さらに企画運営に関するサポート+当日の全体ファシリテーターをNPO法人だっぴが担当しました。

高島でだっぴを開催したい

高島だっぴをしようと話が上がっていたのは、実は一昨年ごろからなんだそう。前任の職員の方が計画をされていたところ、コロナ禍の影響で実施は断念。
その次年度を引き継いだのが、今回担当された小槇さんでした。

実は、前年度の引き継ぎをした頃に、自分自身がちょうど別のだっぴに大人ゲストとして参加する機会があって。「自分がこんなにも盛り上がっていいんだろうか」と感じるほど楽しくて(笑)。様々な立場の人とフラットに話せるだっぴの場を、ぜひ高島地区でもつくりたいと思ったときに、昨年開催できなかった「高島だっぴ」を、絶対やりたいって思ったんです。

小槇さんインタビューより

「高島地域づくり隊」誕生

高島公民館には、中高生など若い世代との接点が少ないという課題や、中高生が地域の中で活躍できる場をつくりたいという思いがありました。そこに、同じく地域で中高生の学びの場をつくりたいと願う地域の大人の方の思いが相乗効果となり、2022年6月に中高生のボランティア団体「高島地域づくり隊」が結成されました。

初年度に集まった中学生のうち、中学3年生のメンバーが高校生となり、今年は中学1年〜高校1年のメンバーが地域の大人スタッフの皆さんと一緒に活動しているそうです。

「地域」「ボランティア」「デジタル」などそれぞれ興味のあるキーワードで集まった中高生

一方、高島だっぴについて思案中だった小槇さん。

地域づくり隊に集まっている中学生や高校生のメンバーがいて、
協力してくれる地域の大人の人達がいる。
いよいよ高島でだっぴを開催できるかもしれない。

小槇さんインタビューより

「高島地域づくり隊」の発足をきっかけに、高島だっぴに関わる登場人物が揃い、開催に向けて大きく動き出したのでした。

準備の過程

公民館の小槇さんに加え、高島地域づくり隊の大人スタッフをはじめとした、有志の皆さんが高島だっぴ実行委員となり企画がスタートしました。

開催日が決まらないと準備スケジュールを逆算できないということで、まずは年度末に高島中学校の教頭先生に開催日の相談をしました。
次年度の学校の年間行事予定の様子も見ながら、春〜夏休みの土日を候補ににしました。

小槇さんインタビューより

実行委員の皆さんは、小槇さんも含めだっぴの参加経験のある方が多くおられ、当日のイメージの共通認識があったことが心強かったそうです。
当日に向けて4月頃から準備をはじめ、

  • 中高生と大人の募集

  • トークテーマの設定

の2つを主に進めて行きました。

地域づくり隊以外の中学生に来てほしかったので、チラシを中学校に配布しました。でも、だっぴの魅力や面白さって、紙では伝えきれなくて、実際に参加して感じるものだから…。そこが一番苦労したかもしれません。
チラシを見て興味を持った保護者さんから「だっぴって何をするんですか?」と問い合わせが来たりもしました(笑)

小槇さんインタビューより

大人の方の募集は実行委員メンバーの人脈を中心に個別で声掛をかけていったそう。こうしたつながりが地域の自治の力になっていきます。

また、トークテーマは、実行委員の皆さんの考えで出てきた案の中から、以下のようなテーマが選ばれました。

グループ1(前半)
・好きなドラえもんの道具は?
・(中高生)一番好きな教科/(大人)一番役に立った教科は?
・あなたの脳内円グラフを教えてください!
グループ2(後半)
・今までで一番嬉しかったことは?
・(中高生)将来の夢は?/(大人)中学生の頃の夢は?
・「こころ」ってどんな形だと思う?

当日は地域の大人がグループファシリテーターを担うため、各グループに入る予定の皆さんは、事前にNPOだっぴが行うファシリテーション研修にも参加しました。

ファシリテーション研修でノウハウを学ぶ

当日の様子

いよいよ高島だっぴ当日。
中学生22名、高校生5名、大人33名の方にご参加いただきました。

ペアで「話す」「聞く」のウォーミングアップ

グループの外から見ていて、すごく場が和らいでいるのを感じました。公民館でも世代を超えて一緒に話す場を作っているけれど、どこか堅い雰囲気があって。中高生も大人もリラックスして話している様子が、だっぴならではだなぁと思いました。

小槇さんインタビューより

「高島地域づくり隊」で日頃から地域に関わっている中高生も多かったからか、中高生が会場に入るなり大人の方とがすぐに打ち解けている様子がとても印象的でした。

将来の希望や夢のあるような話題も出てきていたけれど、「まだ将来のことを考えたことがないんだ」「夢が見つからない」というような、普段ならなかなか話にくいようなことも、中高生から聞こえてきたのが嬉しかったですね。
中高生同士も、お互いのことを柔らかく受け止めてくれていて、いつもの地域づくり隊とはまた違った雰囲気がありました。

小槇さんインタビューより
高島の「T」でポーズ!

参加した高校生の皆さんは、中学生の受付などを担当し、中学生のみんなのサポートをしてくれました。

逆に言えば、事前に決めていた役割は高校生の受付係くらい。中高生も大人の人も当日の雰囲気を楽しんで欲しかったので、あれこれ細かく決めませんでした。例えば、最後の全体感想発表で中学生が無茶振りに答えてくれましたが、これも(用意した言葉ではなく)その場の雰囲気の中で、その時感じたことを言って欲しくて。本当の意味で「地域での対話の場」にしたかったんです。

小槇さんインタビューより

中高生からは、

  • まわりの人と意見を交わすだけでこれほど多くの発見があって驚いた。

  • 共感してくれることの有難さを知れた。同年代の人たちと会話することでは得られない「なにか」をもらえた気がした。

  • 話をしているうちに緊張がとけて、大人の人とでも一緒に笑ったりすることができてとても楽しかった。

のような感想がありました。

高島だっぴの、その後

こうして地域の力で開催された高島だっぴですが、地域づくり隊ではその後も中高生と地域の大人の人とが一緒に話をする機会があったそうです。

地域協働学校の研修会で、大人だけではなく、中高生を呼んで一緒に熟議をするという機会がありました。中高生は高島だっぴを経験していたので、自由に自分の考えをまとめたり、大人の人に話したりしていて。
高島だっぴには参加していなかった地域の方が、その様子に喜び、想像以上の頼もしさに驚いていました。

小槇さんインタビューより

地域づくりは未来づくり

最後に、高島だっぴの企画から当日までを振り返りながら、地域づくりへの思いを語ってくださいました。

様々な人と対話をする場が地域にあることで、子ども達にとっては成長の糧になり、地域の大人にとっては地域づくりを進める力になると思うんです。
地域のこれからを担うのは今の若者の皆さんで、若い人が様々な価値観を持ってチャレンジするのを支えていくのが「地域づくり、未来づくり」なのかなって思います。

高島だっぴを通して、中高生は大人の人と話す経験ができて、地域の人は子ども達の声を聞く喜びを感じられました。地域で世代を超えた関係を築くきっかけづくりとして、だっぴは最適だったなと思います。

小槇さんインタビューより

地域の中に中高生のチャレンジできる場があり、応援してくれる大人がいる。そんな温かい関係が高島地区にはありました。地域の未来につながる中高生のチャレンジを引き続き一緒につくっていきたいと思います。



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