小学生と地域の人で防災アクションを考える熟議
矢掛町の中川小学校にて、熟議「中川っ子の未来を語る会〜子どもたちの未来を守る防災〜」を行いました。
コミュニティスクールや地域連携の出発点となる取り組みとして熟議を行うことも多く、一つのワークのパターンとして参考になれば幸いです。
グループワークの準備体操
アイスブレイクとして、しりとりを行いました。ルールとして
というルールでチーム得点を競いました。同じように3文字の制約を4文字に変更して2回目を行います。
防災アクションのアイデアを出そう!
いざ災害が起きた時、命を守る行動ができるように訓練などを行うことは大切です。そうした非日常の防災アクションを考えます。カエルキャラバンなど、いくつかの事例を紹介して、防災アクション案のブレーンストーミングを行いました。
ブレストでは、たくさん意見を出すことが重要です。アイスブレイクでは、「付箋に自分の回答を書いて共有する」という行為を全員ができるように参加方法の保障をデザインしました。これによって、アイデアが出やすい場をつくります。
たくさんの付箋をテーブルに出した後、グループで案をしぼっていくために構造化を行います。今回は、下記のようなベン図を用意して各グループで類型化の作業をしてもらいました。
防災アクションのアイデアを深めよう!
アイデアの類型が完了すると、例えば「防災フェスをやりたい」など、グループで深めていく案を1つに絞ります。ここからは「防災フェスをやりたい」について、深めていきます。その視点としては、
というような視点が考えられます。深めるためのアイデアを、今度は付箋ではなくカードに記入します。このワークでは、グループのアウトプット(成果物)として「アイデアの宝箱」を以下の手順で作成します。
出したアイデアへの手ざわり感をつくり、自分たちのアイデアであるという愛着や当事者性をつくることで、実行可能性を高めるというねらいで、宝箱をつくるというワークにしました。
普段の生活から「防災の力を高める」行動や考え方を考えよう!
さきほどのワークでは、わざわざ時間をとって行う非日常機会でのアクションを考えました。今度は、普段の生活から防災力を高めることを考えます。ワークは下記の手順で行いました。
ジェスチャーで表現する意図としては、言語をイメージ化する点にあります。例えば「ふだんからあいさつできる関係性をつくる」というアイデアでも、校門前で集団であいさつ運動をしているというイメージもあれば、1対1でハイタッチしてあいさつをしているというイメージもあります。
こうしたイメージの差異をなくし、1つのイメージとして創造するために体を用います。各グループ、様々なアイデア・動きを表現してくれました。
参加者の感想
参加した小学生の感想として、以下のようなアンケート回答がありました。
実践後記
学校教育界で「熟議」と言えば、付箋を使ってアイデアを出し、KJ法でまとめるという方法が多かったように思います。今回のワークショップにおける問いは「熟議における自己原因性感覚を高めるには?」ということでした。
自己原因性感覚とは、自分がその場にいることで場の状況が変質していく様子を実感できることを言います。したがって、参加者同士の相互作用が生まれるプログラムデザインが必要です。
そこで、宝箱をつくったり体で表現したり、言語以外のアウトプットを目指すことで表現の幅や手ざわり感を増す工夫を行いました。とりわけ、小学生とシニアの方のコミュニケーションにおいては有効なのかもしれません。
また、この熟議をもとに、10月に全校で避難所の見学と体育館で避難所設営と非常食試食を中心としたフェスを開催することになり、実際にかたちになるきっかけのワークにできたようで何よりです。
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