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MEGURUの今がわかる、つながる「MEGURing」第5回を開催しました!

MEGURing第5回は、「越境」を考えました

◎第5回の概要

・日にち:2023年10月18日(火)
・時間:19:00-20:30
・場所:スナバ(塩尻市大門八番町1-28)
 ※zoomによるオンラインとのハイブリッド開催
・参加者数:オンライン参加含め31名(!)
 ※過去最大の参加人数です。ありがとうございました!

また、先月行った第4回MEGURingの内容を受けて、今回からは紹介するプロジェクトに「問い」を立てていただきました。この「問い」を念頭に、参加者はプロジェクトに対してより深く考え、話を発展させるという形に挑戦しました。

1.NFTやDAOを活用した「Terminalプロジェクト」って?

◎原点は、越境学習

NFTやDAOという難しそうなアルファベット3文字に引っ張られそうになりますが、まずその背景や原点を知っていただくことが大事です。
このプロジェクトの背景には、越境学習(体験)は人の可能性を広げるという信念があります。越境学習とは、自分の属している組織など同質性の高い「日常」と、地域や異業種などの異質性がある「他日常」を往来することにより、価値観を揺さぶる学びを言います。身近な例では、海外留学に行く、違う組織で仕事をすることなどが挙げられます。
越境学習をすることは自己を見つめ直す契機となり、実はこっちのほうが興味あるとか、自己のスキルが思わぬ形で評価されるとか、新たな発見や成長に繋がると考えられています。

このプロジェクトは、越境学習を通じて自分らしいつながりを持ち、自宅、職場、お気に入りの場所に次ぐ「フォースプレイス」になることを目指しています。また、併せて個人が本業や1つのコミュニティに留まらない多様なフィールドに紐づいていくことに楽しさを見出す姿を思い描いています。

◎越境学習のコミュニティと事務局中心という違和感

目指す姿に近づくためには、まず越境学習ができる機会を増やすことが大切です。特に会社等の特定の組織に属している人であれば、日常生活の中で「越境」する機会は限られており、多忙な生活の中ではハードルが高いところです。
そんな中で、塩尻では塩尻CxOLabという組織がそれに取り組もうとしていて、今年で4年目を迎えます。CxOLabは、地域の課題解決や魅力の再発見を目指しており、意思あるプレイヤーが自分ごととして関わっている組織です。これまで50名を超えるプレイヤーが参画し、地域の当事者として実際に地域に入ることを大切にプロジェクトを進めています。
すでに成果を上げているCxOLabをより発展させることで、越境学習の機会を増やし、根幹にある「越境学習は人の可能性を広げる」という世界を実現できるのではと考えています。

しかし、順調に見えるCxOLabにおいても課題がありました。それは、テーマとなるプロジェクトやスケジュール等が、事務局に依存してしまうのではないか(※本プロジェクトを担当されている方が、CxOLabの事務局も務めています)という点です。本来は参加者が主体的に進めることが望ましいのに、事務局のリソースによってプロジェクトの推進状態が左右されたり、事務局側がテーマ策定を参加者側に依頼したりする現状は持続可能ではなく、規模の拡大も難しくなると考えました。

とは言え、多くのコミュニティや組織には、円滑に物事を進めるために事務局やそれに類するものが存在します。構成員がある程度多くなると、全員が思い思いに発言をしたら当然収拾がつかなくなり前に進めないからです。
事務局への依存は避けたいが、従来の発想では事務局があることが安全な選択に思える。この葛藤を越え、プロジェクトが自律的に生まれ、組成されるという理想の姿をどのように実現すれば良いのか。

◎NFTやDAOが手段になるという仮説

このような課題に対して、NFTやDAOが解決の手段として寄与するのではないかという仮説を立てました。

NFTとは、交換可能なトークン(価値)であり、サイン入りのユニフォームに例えられるように代替不可能で唯一性のある点に特徴があります。また、DAOは分散型自律組織と訳され、事務局などの管理者が存在しなくてもプロジェクトが推進できる組織のことを指します。

では一体なぜこれらが解決の手段になると考えたのか。例えば、大まかにこんなことを想定しています。
CxOLabの組織をDAOのような事務局不在のものとし、会員権としてNFTを発行します。NFTは価値があり、変動するものです。CxOLabに入りたい人はNFTを購入し、事務局がいないので誰かに伺いを立てなくてもプロジェクトを立ち上げることができるようになります。そしてプロジェクトの推進や議事録作成、ファシリテーション等をすることでトークン(価値)を付与します。
NFTの価値は変動するので、みんなが積極的に動く動機づけになります。それによりコミュニティが活性化していくと、CxOLabのNFTの価値が向上します。価値が向上することで、コミュニティーの構成員は経済的なメリットが得られます。

NFTやDAOをきっかけとしてこのような好循環を作ることができれば、より良い形で越境学習の機会が増えていくのだろうという構想です。
また、従来、CxOLabを盛り上げてくれた方には言葉などで感謝を伝えることしかできませんでしたが、NFTの価値向上を通じて経済的なメリットを設けることが可能になるという側面もあります。

◎プロジェクト名の「Terminal」に込めた想い

ターミナルと言えば、空港の出発ターミナルや鉄道のターミナル駅などが想起されます。そこでは、人の往来、偶発性の交わり、旅の出発などなど、「越境」というビジョンと親和性が高い出来事が発生します。
また、塩尻という地域の中で、塩尻駅は東京方面からの特急あずさと名古屋方面からの特急しなのが交わる交通の要衝であり、北海道(新千歳)と福岡へ向かう信州まつもと空港は滑走路の半分が塩尻市です。
これらの関わりを踏まえ、Terminalプロジェクトと命名しました。まだ本プロジェクトは構想段階であり、今後実現に向けて本格スタートします。Terminalの名に沿って、NFTやDAOを含めたプロジェクトの検討に出発します。

◎尽きない興味

Terminalプロジェクトに対し、参加者は興味津々。質疑応答やzoomのチャット欄も大盛り上がり。またNFTやDAOという概念が広く浸透しているとは言いづらい状況であり、具体的なイメージが湧かないという面もあったかもしれませんが、もしかしたら数年後には一般化しているのかもなあ。ぜひ、続報をいつかのMEGURingで聞かせてください。

2.塩尻市役所xパーソルグループの越境研修

◎異業種連携によるリーダーシップ研修

今年度からの取り組みとして、塩尻市役所とパーソルグループがタッグを組んだリーダーシップ研修を実施しました。塩尻市役所の職員6名、パーソルグループの社員10名により、7月23日のキックオフから10月7日の最終発表会までの約2ヶ月間に渡って行われ、MEGURUは塩尻市からの委託を受ける形でこの研修に携わりました。
研修の元にあるのは、Terminalプロジェクトと同様に越境学習の考え方。日々移りゆく社会の中で、同じ「日常」をずっと過ごすことでは解決できない課題ばかりとなり、「他日常」を経験して「日常」に活かすことが当たり前に求められています。塩尻市は、さまざまな地域課題が日々噴出するなかで、行政だけでそれを解決することはできないという前提のもとに民間企業との協働を推進しようとしており、今年度は係長級の職員6名の研修という形で実施しました。

◎単なる研修テーマではなく本気で実装する

この研修では、参加者を3つのチームに分け、次の2つのテーマの課題として取り組んでいただきました。

①産学官連携によるキャリア教育推進
変化の激しい時代のなか、教育の現場でも答えのない問いが続いています。実際に教育委員会等と連携しながらキャリア教育のグランドデザイン構築に寄与します。
②従業員定着・福利厚生スキーム
現在、企業の法定外福利厚生は減額傾向にありますが、採用・定着の観点では一人一人に合わせた福利厚生メニューの整備が求められているという側面もあります。そこで、健康経営や人的資本経営等の時流も捉えながら、商工会議所やハピネスセンターとも連携して施策スキームの検討を実施します。

もちろんこれらは研修テーマですが、教育委員会や商工会議所等の関係機関と連携しながら本気で実装することを念頭に置いているというのが特徴です。

最終発表会では各チームが限られた時間の中で最大限のアウトプットをしていただき、発表を聞いた関係者から引き続き検討してほしいといった非常に前向きな言葉もいただきました。

◎熱い2ヶ月間と最終発表会を終えて

指名により参加した塩尻市職員と、公募により参加したパーソル社員。当初は、参加動機の違いから両者に「温度差」があるのではないかという懸念もありました。
しかし、中間発表やチームミーティングを重ねるごとにいつの間にかその差はなくなり、立場を超えて1つの課題に取り組む「チーム」が形成されていきました。

研修としての期間は終了しましたが、参加されたみなさんには引き続きこれらの事業の動向を注視し、関わりを継続していただきたいと思います。

MEGURUホットトピックス!

回を重ねるごとにトピックが増えていますが…
準備中、進行中のものも含めて数多くのプロジェクトが動いています。
「いきはたパーク」、「en.toプレオープンイベント」など日程が決まってきたものもありますので、ぜひMEGURUのFacebook等で続報をお待ちください。

次回はゲストを招いた特別回!

◎第6回開催案内(次回予告)

・日にち:2023年11月26日(日)
・時間:14:00-17:00
・場所:スナバ(塩尻市大門八番町1-28)
 ※日曜日の昼間の開催となります

第6回は、MEGURingとして初めて、外部からゲストを招いた特別イベントとなります。
島根県西部に位置する益田市より、ユタラボ(一般社団法人豊かな暮らしラボラトリー)代表理事の檜垣賢一さんにお越しいただきます。
ユタラボは、「益田版カタリ場」をはじめとする学生に対するプロジェクトに力を入れている団体です。ユタラボのこと、MEGURUのこと、それぞれの紹介を通じてMEGURUが目指す地域の人事部構想がより深まる場となることでしょう。来月のMEGURingもお楽しみに。

短い秋を迎え、塩尻市内でも小坂田公園や平出遺跡、さらには大門商店街でのハロウィンイベントも実際、開催予定となっていますね。私は先日諏訪湖でハーフマラソンを走ったのですが、無事筋肉痛となり翌日はペンギン歩きで過ごしました。
(MEGURing担当:すどう)

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