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智慧を解き放つ

The Book of Life
5/3のテーマは
Freeing Intelligence

 J.クリシュナムルティの言葉を、
 一日一ページ 、365日分に編集された本
 「The Book of Life」を 一日分ずつやさしく翻訳し、
 気功的な補足や解説を添えています。

 和訳&補足解説 天野泰司


和訳

強いて言わせていただくとしたら、
まず一番最初に行うことは、
「ある決まった考え方、感じ方をするのはなぜか」を見出すことです。

思考と感情を、変えようとしないでください。
分析しようとしないでください。
そうではなく、ある特定の型にはまったように考えるのはなぜか、
そして、どんな動機から行動しているのかに気づいていくのです。

分析することで動機や、他の何かが見つかるかもしれませんが、
それらはリアルなものではありません。
この瞬間に働いている自らの思考と感情に
はっきり気づいている時だけが、ありのままのリアルです。
そして、この上ない精巧さと繊細さをそこに感じることになるでしょう。

「こうでなければならない」「こうあってはいけない」という強制を手放さない限り、思考と感情の俊敏な流れに気づくことはないでしょう。
学校で、ずっとこの「べし・べからず」の元で育ってきましたね。
そのために、あなたの思考と感情は無茶苦茶になってしまっているのです。
制度や規則によって、教師によって、
ずっと縛られ、不自由にされてきたのです。

だから、全ての「べし・べからず」を手放してください。
放縦になりなさいという意味ではありません。
自分の心が「こうしなくては」「こうしてはいけない」と言い続けていることに気づいていくのです。

すると、明け方に花が咲くように、智慧が花開き、
そこにあって働きつづけ、悟りが生じていくのです。

J.クリシュナムルティ  訳・天野泰司


思考のもうひとつ奥にあるもの

NPO法人気功協会運営責任者 天野泰司

いつも働いている思考の働きを休めて、
静かな、思考以前の心の中へ入っていくことを、
気功では「入静」と言います。
そして、入静はいつも身体的な十分なリラックス、
いわゆる「放鬆」とワンセットになっています。
つまり、体が芯のところからゆるんでいくことで、
心が思考を離れて、生まれる以前からある
純粋無垢で繊細な心へと帰っていくのです。

ですから、気功を学びながら、
「こうしなければ」「こうしてはいけない」という
決まりや方法をどれだけたくさん覚えて一生懸命に練習したとしても、
かえって自然な状態から遠ざかっていくばかりで、
気功が求めているところとは反対の方向へ行ってしまうことすらあります。

むしろ無心になって、やさしいことをていねいにていねいに、
ゆっくりと、体に全面的な注意を集めながら行っていくことで、
目的としている自然な状態へと、容易に入っていくことができます。

自然というのは、ただ何もしないこととは全く違い、
精緻で美しく、ひとつの間違いもない
完璧な働きが、そこにありありとあることです。
そして、私たちの身体にも、その自然がある。
気功の心地よさに、ふと我を忘れるようになると、
なかなか変わらないと思っていた不調が、すぐに変化しだしたり、
一見難しいと思っていた症状が大きく変わり始めたりするのは、
自らの中にある十全で精妙な働きのためなのでしょう。

強制や強迫で花を開かせることはできません。
機を得て、花は自ら開く。
努力や、変化を急かすような心によってではなく、
努力を手放し、今をそのままに受け入れるような心のありようのなかから、
自然というものは目を覚ましていくのです。

健康で幸せな人が一人またひとりと増えていくように、 NPO法人 気功協会へのサポートをよろしくお願いいたします。 あなたの暖かいお気持ちが、私たちの非営利社会貢献活動を支えます。