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理解出来ない子「独り言」

「家庭で学ぶ」

子ども達と授業をしていると、時折首をかしげる子どもがいる。話しの内容から首をかしげる所ではない。しかし、私の話を理解出来ないでいるようだ。こんな事を何度も経験すると自分なりに検証したくなる。

ある塾から研修レポートが届いた。その中に、私が懸念していた内容のレポートが書かれていた。生徒が何でもない言葉を理解していないという。言葉を理解していない、なるほど良くあることだと簡単に考えていないだろうか。報告をしてきた先生の分析が的を射ていた。それは、学習したプリントが整理できないということから始まっていた。プリントを順番に並べてファイルに入れるだけで済む。この単純な事ができない。今までなら、「面倒くさがる子」として捉えられていた。しかし、どうもそうではなさそうなのだ。

積む・重ねる・並べる・分ける・配る・かたづける・掃く・なでる・はさむ・ひねる、そして先ほども出た順番等々、上げるときりがないほど、単純な言葉を理解していない子どもが目立ってきた。こうした言葉を理解していない子ども達の学習や日常生活は、至る所で大きな問題となっている。先ほどのように、プリントの整理ができない子は、整理整頓の意味を説明する基本的な語句や、それに類する具体的行動が伴っていない。言葉としては知っているが、その意味を理解していないのだ。これは、多くの場合、言葉に則した具体的経験の不足が上げられる。背景には、親の過ぎた管理、干渉が見え隠れする。

親が過ぎた管理や干渉をするには訳がある。親が子どもを制して行うのは、その方が早く済み手間がかからないからだ。周りを汚して、その後掃除をする手間が省ける。親の努めの中には、子どもにどれだけ失敗という経験を積ませるかと言うのがある。経験は言葉を通し記憶される。失敗は次の成功への努力を産む。少子化が進むと兄弟で学び合う場がなくなる。そこに個人的行動が目立つようになってきた家庭の変化がある。この過程で失う経験はかなりの量になる。生活環境から学ぶべき事は多い。しかし、家庭内で学ぶ基礎学習ができていない子が目立って来た。家庭力の低下は子どもの言語に表れる。日常使われるはずの言葉の理解がなければ、学校などで説明される言葉を理解することはできない。言語に表れる言葉の不備は当然ながら行動にも表れる。「できない」という項目が増えてくる事で理解出来るはずだ。

家庭力を上げる、現代を考察すると子ども達の能力を高めるには家庭が本来の機能を果たさなければならない。私達は、東日本大震災で家庭や家族というものを見直した筈だ。しかし、それは一過性のものであったようだ。社会全体が危機感を持てなくなってきている。子ども達のこうした変化は、「言葉を失った子ども達」ということが言えるかも知れない。難しい言葉を知っている割に、基本的な知っているべき言葉を知らない、このアンバランス状態こそ子ども達からの危険信号だ。国語や算数という教科の学習以前に、子ども達には学ばせなければならない事がある。それが幼児貴から始めるべき生活学習だ。

2014/3/20


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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