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グローバル化

「世界に向けた教育」

一部の民間教育では、国内の大学に拘らず、世界の一流大学を視野に入れた教育改革が進んでいます。また、これからの教育に必要な英語教育を更に一歩進めようと、長崎に「英語村」構想が着々と進んでいます。こうした動きはこれからもっと活発に行われてくると思います。

我が国の教育システムは世界的にも優れた内容で在ると言えます。しかし、世界をリードするとなると、日本人には想像力や発想力に乏しく、表現力にも劣るという面が見られます。これでは世界で通用する為の教育システムが必要となってきます。

現代日本社会の特徴としてコミュニケーション不足が上げられています。直接会話が減少し、メールや、ライン、ツイッターなどバーチャル化している人間関係が主体では、世界に通用する人材は生み出せません。いくら英語を学ぼうと、グローバル化への道で大切なのが直接対話だからです。

更に、個人主義とコミュニケーション不足が、社会に入って苦労する原因となっています。会社では、個人プレイよりも、チームで作り上げる事が多く、個人主義を貫くなどできません。このような基本の重要性を抜きにグローバル化への道は進むことはできないでしょう。この為、既存の枠から抜け出た新しい教育システムの開発が重要になります。

テレビや雑誌で取り上げられる幼児教育は、どうしても特殊で奇抜な部分だけがクローズアップされてしまいます。一時期、「幼児で四字熟語が言える」というのもセンセーショナルに扱われましたが、その後、子ども達は、他の子どもと変わらない成績となっています。こうした、大人の価値観で幼児教育という大切な基礎教育がねじ曲げられることに問題があります。子どもの脳は、真っ白な吸い取り紙のようなものです。遮るものが無いため、情報はダイレクトに蓄積されていきます。しかし、その情報も加工され使わなければ何の役にも立ちません。知識のみ選考し、思考や想像への道が絶たれてしまうのです。

また、パターン化に慣れた子ども達は、パターンのみ反応する傾向があり、自己啓発ができない子どもとなっています。

世界的な、グローバル化へ向けた教育の方向性は、学ぶだけではなく、作り上げることも平行して行わなければならないと思います。それには、会話、グループディスカッション、共同作業をもっと取り入れるべきだと考えます。学ぶという個人的立場だけではなく、小集団を意識した場の提供が必要となるでしょう。

教育には、成果が必要です。しかし、その内容を画一的に捉えてしまうと、悪しき教育システムへと逆戻りしてしまうでしょう。新時代の教育システムとして必要なもの、そのキーワードが「創造・造る・作る」です。

2013/7/20


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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