見出し画像

学校や塾から見放される

「教育再生」

自民党の教育再生実行本部から新たな提言が出されました。それによると、「理数教育の充実策として、文系を含むすべての大学入試で理数科目を必須とすることや、小学校の理科の授業をすべて理科専門の教師が行う」という内容です。東大の推薦入試、今回の提言など教育界は大きく様変わりをしそうです。

先週、私は興学社学園のプリンス事業部(塾部門)の先生方対象の研修に出向いていました。幼小中一貫教育を目指す本学園の考えで始まった研修会です。ここでは、主に算数・数学系の研修が中心なのですが、常に「言語的知性」の話が出てきます。今回、自民党の教育再生委員会から提言された「理数系の充実」について、その手前の部分である思考力、発想力、想像力と共に、抽象思考という考え方に私たちは着目しています。子ども達の思考は、すぐに理科的、数学的になるのではありません。思考の道筋があるのです。理数系の頭脳を支えるのは何でしょう。それは「論理数学的知性」であり「分析総合力」です。そして、その手前にあるのが「言語的知性」です。

これからの子ども達に求められる学力、能力はより具体的な提言からより明確になってきました。今までの「ゆるみ教育」からは一変し、今まで以上に子ども達には学ぶ力が必要となってきます。積極的に学ぶことは当たり前であり、極論から見え隠れするのは「学習での切り捨て」です。また、優劣がはっきりと現れる理数系は、この間文系の入試に関して主要科目から外れていました。それが必須となると、学習スタイルが大きく変わることを意味しています。

学習内容の大幅な変更、入試の必須科目数の増、これらの変化から、家庭でも対応を考えておく必要があります。今までのような教育環境ではなくなります。学力アップという単純な考えでなく、授業内容について行けるだけの学習能力と、自ら学ぶ姿勢作りは急務でしょう。幼児教育でも、学習効果、成果の見られないところは淘汰されるところが出てきます。

これからは、幼児期に何をどのように学べばよいか、思考力、想像力だけでなく、子どもの興味、関心にどう答えていくか、インプット、アウトプットと学習のさせ方に関心が寄せられるでしょう。今回も、研修で語られているように、ことばに落とし込む、ことばに変える、思考力の源である言語性を幼児期にしっかり学ぶこと、主に、高学年や中学生を対象にしている先生からは、幼児教育の必要性が身にしみて感じています。高学年を受け持つ方々の、この幼児教育への理解は、その後の子ども達の指導へと受け継がれていくでしょう。

教育再生に向けて、今後子ども達の教育環境がどのように変化していくか、保護者としてしっかり見つめ、想像しておかなければならない時がきました。子どもの将来に深く関係する問題です。真剣に考えておくべきでしょう。

2013/3/25


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?