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子ども達の現状

「低学力対策」

学力の二極化は、教育現場ではかなり深刻な問題です。学力差=学習意欲であり、子ども達の意識は、学年が上がる毎に異性やファッション、遊びへと移っていきます。それは、一つに情報化社会のもたらした影響でもあります。情報化社会は、今、子ども達の学習環境に大きな障害として立ちはだかっています。子ども達を惑わし、時に引きづり込むほど、子ども達は情報に引きづり回されています。子ども達は自ら情報の管理は出来ません。しかし、情報ツールは小学生でも持ち歩くほど普及しています。残念ながら今のところ、その管理体制は出来ていません。環境が子ども達にもたらす影響を考えると、現在は最悪の方向へと進んでいるのではないでしょうか。

健常児の場合、学力低下の最大原因は環境です。その為、幼児期から環境を整えておく必要があるでしょう。お子さんが幼児であれば、まず言語環境を整えてください。幼児に与える情報は、ご両親のことばが最優先されます。そして祖父母がいらっしゃる場合は更に言語環境が向上します。掛ける言葉は、形容されることばが入り感情豊かなことばが良いでしょう。「なんて気持ちの良い朝でしょう」「わぁー真っ青なそら」「風に揺られてお花が気持ちよさそうだね」等、自然や天気を意識したことばは景色や情景が入るので積極的に入れてください。また、ことばの中に、ザーザー・コトコト・ピョンピョン・くねくねなどの繰り返しことばも入れるようにしましょう。特に、遊びの時に動作の一部で使うと良いでしょう。「くるまが、ころころ ころがるよ」等

読み聞かせは、本を耳で読むことになり、聞く学習にもつながります。読み聞かせをするとき、お子さんと遊ぶときはテレビやラジオなどを消してください。音楽は良いでしょう。絵本だけでなく、図鑑などを一緒に見ることも進んで行ってください。魚や動物、花や木の植物、働く車や電車、星など宇宙の図鑑などです。こうして、親子で環境を整えていきます。公園デビューだけが大切なのではありません。無理をして外出する必要はありません。気分転換程度で良いと思います。その分、しっかりお子さんと向き合ってください。

小学生では、ます予習が一番です。予習の第一は、各教科に出てくる用語の学習です。用語の予習をするだけで、先生の説明に耳を傾ける事が出来るようになります。聞く姿勢の出来ていない子は、学力を上げることは難しいでしょう。同時にコミュニケーションが取れないという側面もあります。国語の漢字は早めに学習します。何度も申し上げてきましたが、漢字には音読み・訓読み・筆順・画数・部首・単語・送り仮名などの学習が待ち構えています。1年生では80文字ですが、初めて習う漢字学習の範囲を考えればその数はかなり多いと思わなければなりません。教科書の音読もしましょう。家庭学習では少ないのですが、声を出す学習をお薦めします。早めに行う学習には、かけ算九九の暗唱があります。しっかり暗唱させることが大切で、「知ってる!知ってる」と騒ぎ立て授業妨害となる子の殆どが、中途半端に覚えている子が圧倒的です。

算数では計算練習を徹底して行います。その際、タイルを使いましょう。頭に中で、タイルが想像出来るようになると、思考力向上に大きな効果が見られます。指を使い計算させては学習の意味がありません。指計算はしないようにしましょう。一桁の足し算徹底してください。ここには、繰り上がりで分解と合成が数多くあり、そのまま引き算の概念理解に繋がります。2年・3年で計算力のない子は、高学年で確実に落ちこぼれ対象になります。加減乗除の基礎計算は100題×4で400題です。基礎計算の練習は以前お知らせした「チャレンジ100」の計算練習帳をお薦めします。私の教室では高学年や中学生でも使用しています。

学力低下は低学年、小学1年生から始まっています。幼児期の過ごし方、低学年の基礎教育がとても大切です。それは、決して幼児期に計算や漢字などを教えるという短絡的な事ではありません。第一に環境の整備です。言語環境の整備は、子どもの一生を左右するほど大切なものです。この環境がお子さんの見えない学力を育てていきます。

2013/9/8


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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