見出し画像

障がい児教育にタイルが!

「期待通りの感触です!」

『本日、「タイル教材」受取りました! とても心待ちにしておりました…、真っ先に「タイル」に触れてみました! 期待通りの感触です!正方形の大きさ・色・厚み、正しくこれが「タイル」だと思います。ありがとうございました!』

長いことタイル教具を探されていた「Tさん」から頂いたメールの一部です。これまで様々なタイルに出会うものの、しっくりこなかったそうです。当研究所で開発されたタイルは、40年近くタイル(水道方式)に携わってきた経験を活かしつくられたものです。私は20数年、故水野茂一先生の所でお世話になりました。そこで開発し使用していたタイルはプラスチック製のものでした。しかし、「幼児の算数」を手がけ始め「きらら」という幼児雑誌に「数の学習1・2・3」という題名で数指導の記事を書かせて頂いていたときから、タイルのカラー化が必要ではないかと思い始めていました。そこで生まれたのが「さんすうタイル」です。

今でも多く見られる「指」を使った計算指導。しかし、水道方式の登場により、数指導の新たな展開が始まりました。当初、小学生対象であったタイル指導は、幼児教育によって見事に「幼児の算数」として活かされました。具体的に数を操作する、量を体感する、それまで、直ぐに数字を使い理屈で算数指導をしていた頃と違い、数を身近に感じさせることができるようになって来ました。同時に、数指導で使用するタイルは、それまでの数字だけの指導と比較し、格段に「考える力」を育むことができることがわかってきたのです。タイル指導には、操作があります。つまり、動作が加わることがタイル指導の良いところなのです。動作は「ことば」に置き換えます。そのときの「映像」と「ことば」が頭の中にイメージとして浮かび上がってくるのです。このタイル指導は、元々小学生の算数指導に考え出されたものですが、幼児教育に応用したことで、数の学習を生活経験から、そして幼児期からゆっくりとそして系統立てて行われることで確実に数の学習ができるようになりました。

「歩き始めの算数」遠山啓著という本があります。「ちえ遅れの子らの授業から」という副題がついています。この中で、遠山先生は、私たちが唱えている「感覚教育」の必要性を述べられ、また、量的指導の必要性を説かれています。それまでの数指導の王道は「数え主義」でした。足し算など、数え足す指導には限界がありました。指導に理屈が多く言葉のみの指導が大半を占めていました。そして、それが原因で障がいを持った子の指導に行き詰まりが生じたのです。

遠山先生は、障がい児教育に言語指導の重要性を述べられています。幼児は、具体性と自己中心性を持っています。まだ抽象的にものを捉えられない時期なのです。障がい児の多くは、この幼児性の期間が長いと言われています。それは、同時に、障がい児指導に注意喚起を促す内容でもあるのです。「障がい児教育では、ことばの扱いに注意する。」としている。それは、多くの場合、彼らは、ことばに障がいを持っていることが多いからです。すると、幼児期の発達過程と同等の系統的指導が必要になるのです。言語と数と知覚、これは幼児教育と障がい児教育の最も基本的な指導の柱と言えます。

今回、タイルを購入された「Tさん」は障がいを持たれたお子さんがいらっしゃいます。「Tさん」から、先ほどのようなメールを頂き、この「さんすうタイル」をつくった甲斐がありました。このタイルには、色・大きさ・厚さ・感触に、それまで費やしてきた経験や研究されてきたデータからつくり出されたものです。障がい児教育に使えるから、一般の幼児にも使用できるのです。そして、数指導は、数単体で指導するのではなく、ことばや生活が大切です。総合的教育の重要性は、幼児期、および障がい児教育にとって教育指導の原理原則です。

今後、広くこのタイル教具及び教材をご購入頂けるよう準備しています。是非、ご活用下さい。

お問い合わせは、(月曜日~金曜日)11:00~17:30

  • 石川教育研究所 草加事務所 048-923-0503

  • メール apple-ishikawa@ishikawa-kyouiku.co.jp

2013/10/31


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?