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見ること、触ること、感覚教育

「意外な盲点」

鉛色の空が気分を憂鬱にさせます。だからと言っては何ですが、本日2回目の更新です。

教材製作では、様々な工夫があります。特に幼児教育の場合は、問題を解かせると言う思考などの面だけでなく、神経の発達や感覚の発達を意識して作成された教材もあります。勿論、幼児教室で行われるカリキュラムも、子どもの発達段階を基本に組まれていきます。何故ならば、幼児の場合、神経の発達は3歳でおよそ60%、6歳で80%程度だと言われているからです。各神経の発達は幼児期にあるのです。

神経の発達がもたらす影響は計り知れず、その為、この期間は基本的な運動、知的刺激、感覚刺激などが必要とされています。学習の低年齢化も、この神経発達と密接な繋がりがあります。

幼児期から行われる知的学習にパズルがあります。ところがこのパズル指導も基本があるのですが、大人は直ぐに難しい内容のパズルへ進ませがちです。いわゆる難問神話がそれです。難問神話とは、難しい内容が良い学習で、難しい問題が良い問題というお粗末な考え方です。パズルは何に意識させるのか、この視点が狂うと基礎学習を飛ばし早い段階で発展学習に移行してしまいます。幼児期は目に入るもの、聞こえてくるもの様々な事を吸収し認識していきます。大人にとって当たり前でも幼児には全て初めて、目にするもの、耳にするものです。パズル指導は図形認識を高めますが、その中でも線の認識を高めてくれます。ところが、大切な線の認識に偏りが出てくると問題が生じる事があります。線の認識は基本が「縦線」「横線」です。目で追う視覚認識でもこの2つが基本になります。難しい線の認識は「曲線」「斜線」です。その為、縦線や横線をしっかり認識させないまま、曲線や斜線の刺激や学習を多く行うと、目では見えていても、脳が認識しないという視覚の不認知状態を起こす場合があります。基礎は基礎として大切にすべきです。

幼児期は各感覚の発達を促す刺激が大切です。味覚・嗅覚・視覚・聴覚・触覚・前庭感覚・固有感覚の7つです。当研究所では、これらの発達を意識して教材を製作します。例えばすうじ練習帳は、しっかりと線を意識させた内容になっています。またタイル練習帳ですが、タイルの置き方で子どもの問題点がわかります。まず、指先の神経発達はタイルを規定の場所に上手におけるかどうかで理解できます。また、置き方が曲がっていないかで、前庭感覚の未発達も見ることができます。面倒くさがる子、雑な子は、生活習慣の乱れがあることを示しています。

教材の処理状態から子どもの様々な長所短所、未発達な部分など、教材を通した深い観察が出来るのです。

大人から見て簡単そうに見える教材ですが、幼児教材は未発達な幼児が行うものなので、出来た・出来ないという学習として中途半端な見方をするものではありません。その前提として感覚統合を意識した内容を盛り込んでいます。

これから、数回に分けて、「胎教」に関する内容をアップして参ります。幼児教育の基礎である胎教は、母と子の絆、父と子の絆を強くする目的があります。これから生まれてくる大切な命をご夫婦で育むお手伝いをしたいと思います。既にお子さんをお持ちの方にも、子育ての参考になると思います。

2013/11/9


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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