語彙数を増やす
「何事も楽しては…」
毎年、新たなダイエット関係の本が多数出版されるそうです。家の中を見渡せば、必ず1~2冊はあるかも知れません。(当然、メタボに苦しむ私です、しっかりありました。)最近では、ダイエットも学習も、「簡単で」「無理なく」「短時間で」「楽して」と、安易にできることを謳い文句にしています。ところが、現実は厳しく、効果は前宣伝通りに行かない場合が多く、次の方法を模索しています。しかし、両者とも、その解決法は至って簡単であることは誰もが承知しています。結論から言えば、食べる量を減らして運動をしっかりすれば良いことで、生活習慣の見直しをすれば済むことです。行動に起こさなければ何も変わりません。(と、自分に言い聞かせています!)
学習についても同じです。やらなければ学力が付くはずはありません。学習に効率を考えては真の学力は付きません。学力の基礎である、語彙数の獲得について、保護者の方々や、塾の先生方から具体的な方法をとご連絡を多数頂きました。具体的な語彙獲得の為の学習法を考えて見たいと思います。
昨日の語彙数の表を見てお解りの通り、子ども達の語彙数は、入学前に大きな差がついています。この数字が意味するもの、それは、家庭の言語環境です。読書好きなご両親の場合、子どもの語彙数が高いというデータもあります。また、思考や学習に不適切な語彙の獲得をしている子ども達は、始終テレビがついている家庭というデータもあります。バラエティー番組が多くなってきた最近のテレビでは、語彙としてカウント対象にしたくない言葉が乱れ飛んでいます。まず、言語環境を整える必要があります。その為には、見る番組の選択が必要でしょう。ニュースを中心とした選択をしましょう。
幼児では、定番ですが、本の読み聞かせを毎日5冊をめどに行います。勿論、本人が読むこともあるので、冊数に数えられます。ひらがなが読み書きできるお子さんは、絵本の書写を段階的に行って下さい。または、書写プリントを使いましょう。それぞれ、まず音読をしっかりして下さい。1つの内容について10回以上を心がけてます。次に、書写の発展的な使用です。それが聴写です。最初は文節毎に切り読みし聴写をさせます。
ことばは使わなければ定着はしません。言い方は悪いのですが、習い立てのことばを強制的に使うには、音読・書写・聴写という学習指導法を使います。これは、小学生も同じです。小学生であれば、教科書中心の音読・書写・聴写の学習法があります。語彙数の獲得は、半ば強制的な読書であり、作文であり、会話でなければ増やすことは難しいでしょう。また、側面、子ども達の好きな物、趣味など興味関心のあるものから語彙を増やすことも可能です。好きなこと、興味があるから調べたり覚えたりします。ただ、この場合、語彙の内容が趣味に偏る傾向があるので、書写や聴写、音読で偏りをなくす必要があります。
このようにお話をさせて頂くと、読書が如何に重要かお解りでしょう。積極的に読書タイムを作ること、読書好きにさせることが一番です。冒険・推理・SF等、多くのジャンルから好きなものを選んでもらいます。短編のSF(ショートショート)も面白いでしょう。料理本なども良いでしょう。買い物をし、会話をしながら料理を作る、会話は、覚えたことばを使えるばですから積極的に利用します。
本は、語彙の宝庫です。読書は頭の栄養です。成績の評価を分けるのは読書数です。言い換えれば、語彙数=読書数です。それは、語彙数調査の表からも明らかです。
2013/9/17
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
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