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数・算数・数学を学ぶ
「大切な3者関係」
教科の成績で最も注目されるものが算数・数学だ。頭の良さをはかるバロメーターとも言われる。算数指導は小学校から始まるのではない。既に、私達は幼児期から数の世界で生きている。ことばの中にも数に関するものが多い。大きい・小さいから始まり多い、少ない、いっぱい、減る、増える、○歳、低い、高い、広い、狭い、速い、遅い、一番/二番、併せて、みんなで、いくつ分等々数え上げたらきりがない。テレビなどのリモコンには数字が書いてある。
数分野は、「論理数学的知性」と言われる程、「思考力」に直結している。この事からも解るように、単純な「計算」だけでは「論理数学的知性」を育む事は出来ない。それは、式に多くの意味が隠されているからだ。
足し算から始まり、次第にことばの意味することの重要性を帯びてくる。式に見られる思考には、幾つもの関係が見えてくる。足し算に於いては、その数を入れ替えても答は変わらないのに対し、引き算では小さな数から大きな数は引けない。ここに、数字には意味があることを知ることになる。これが、最初から式が書かれていて、答を出すだけの単純な作業では、答の丸暗記になってしまう。
高学年で出てくる、距離と速さと時間の関係を理解できない小学生は非常に多い。計算だけでは、数字そのものを意味する所の関係性は見えてこない。算数では、数量関係の殆どが三者関係によって表されることが多い。この関係の理解は、低学年の加法から始まっている。
計算が出来るからといって算数が出来るとは限らないのはこの為だ。算数の式は、次第に数字の持つ意味の関係性が重要になってくる。この様に、ことばの式、三者関係の式理解は、その後の算数能力を十分に高めてくれる。
算数だから、ことばの理解が大切だ。思考は、自分の記憶の中の言葉を仲立ちとして、改めて組み直す作業を言う。暗記だけに頼ると、思考力は育たない。コンピュータがそうであるように、情報は様々なソフトを駆使して加工される。まさしく、人間の脳による思考過程を再現している。情報(記憶)は、様々に加工されて意味がある。そのためにも、ことばの関係式は大切な学習だと言える。
2012/9/12
著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫
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