見出し画像

せっかく壊れたのなら(再創造)

壊れた、は「変わるチャンス」。


広島G7サミットにウクライナのゼレンスキー大統領が来たとき、記者会見で「破壊されたバフムトをこの広島のように再建したい」と述べていた。原爆資料館を見学した後だったので余計に今の広島の姿に希望を感じたのではないだろうか。

この3年間で活動が停止したり、停滞したり、壊れたまではいかなくても事業や組織や財務が少し崩れてしまった団体・活動は多いのではないだろうか。壊れかけた現状を目の前に「どうしたもんかなぁ」と思いあぐねている心境もあるのではないでしょうか。

ここは逆転の発想で、開き直って、せっかく壊れたのだから「再創造」のチャンスだと思いたい。もし壊れていなかったら今までと同じことをやっていたかもしれなくて、それはそれで良いことだったかもしれないけど、ここは「変わるチャンス」なのかもしれないとも思う。

今は大胆な企み(たくらみ)が必要なときだと思う。思い切った変更もしやすいかもしれない。停滞や縮小してくれたおかげで新たにできることもあるかもしれない。停滞やクラッシュを悲観するだけの要素にしないで、逆手に取って「チャンスだ!」と思うしぶとくて勇敢な発想を持てるといい。

具体的に何をすれば良いかを4つのステップにまとめてみた。かなり試論ですが、参考にしてみてください。


ステップ1:意識を変える
ステップ2:設計する
ステップ3:実践する(導入・運用する)
ステップ4:だんだんと良くなっていく(1〜2年かけて)


ステップ1:意識を変える

まずは「意識を変える」ところから。意識が深いところで変わらないと元の鞘に収まってしまいます。具体的には時間の使い方を変えること。自分の源泉(ソース)に触れるような内省の時間を取ること。付き合う人間関係も少し変えてみること。触れるメディア・情報を変えてみること。意識を変えるのに3ヶ月くらい使ってみてください。

ステップ2:設計する

そして「設計する」こと。事業企画かもしれないし、組織設計かもしれないし、経営戦略かもしれない。ステップ1で生み出された意識や視座やアイディアをベースに、そのもくもくわくわくしたものを文字や絵にしてみる。可視化・言語化・資料化に関しては得意不得意あると思うので(まずは行動してみる派など)、その詳細度や粒度は人それぞれで良いと思います。でも、書き出すことで考えが明確になったり確信が持てて行動が起きやすいという効果はあると思うので、設計・書き出しをしてみましょう。

ステップ3:実践する(導入・運用する)

そして「実践」。ここはすごくポイントがあると思います。安定した環境や成長・発展のフェーズにおいては、民主的でボトムアップ型のマネジメントが有効で、そういうマネージャーが必要になります。一方で、0→1の新規立ち上げフェーズや今回のような壊れた後の「再創造」のフェーズにおいては、アートで独断的なリーダーシップが有効だったりします。

説明して合意を取っていたら大胆な創造はできません。「詳しくは後で説明するよ。まずはやってみるね」と海に飛び出て試行・実験するような動きが必要です。創造(再創造)というものはそうやって生み出されるものなので、まわりへの説明はほどほどに「まずは直観で動いて現実・実物をつくってみる」くらいの豪快さ・果敢さを持っていきましょう。

現実はもっとやわらかくて優しくて、みんなの共感や力も注ぎ合いながら、楽しく力強く進んで行くのだと思いますが、「説明・合意・協力」の沼から抜け出れずに動けないという状況もあると思います。少しだけ振り切ってまずは独創(独走)してみる動きや勇気も必要です。

ステップ4:だんだんと良くなっていく(1〜2年かけて)

最後のステップ4は「だんだんと良くなっていく」です。再構築・再創造・再起動の旅は少しゆっくりの長旅になりそうな気がします。すぐに反転攻勢とかではなくて、ゆっくり時間をかけて「気持ち」や「関係性」を整えていって、事業や組織を再構築・再創造して、だんだんと良くなって再起動していく。きっと未来は良くなっていくという楽天さを持って、この状況を楽しみながら進んでいきましょう。1〜2年かけてじっくりじっくり良くしていってください。

市民活動・コミュニティ活動には価値があります。それらが生み出す「つながり」と「コミュニティ」は人間と社会にとって大切なものです。一緒にがんばっていきましょう。

by 呉 哲煥

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?