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「高校生にとって何がいいのか、考え続ける」:大学生メンターへインタビュー

CLACKの高校生向けの3ヶ月間の無料プログラミング教室「Tech Runway」。
その裏で高校生たちの成長を支えている存在、それが大学生メンターです。
プログラミングだけではなく、高校生の気持ちに寄り添いながら伴走しています。

どんな想いで関わっているのか、どんな葛藤があるのか。
今日はそんなリアルな大学生メンターにインタビューしてきました。
ぜひ最後までご覧ください。

認定NPO法人CLACKにて、プログラミング教育を通じて高校生の自立支援を担う大学生メンター、金子夏蓮さん。CLACKの現場で日々頑張る大学生メンターをご紹介します。

Q:CLACKへの参加動機もしくはきっかけを教えてください。

元々、ITによる(地理的・金銭的な)教育格差の解消に興味があり、将来はそれを実現できる道に進みたいと考えていました。そのため、大学では社会問題について学び、学生コミュニティの方でプログラミングを学んでいました。2年生の冬ごろに、自分自身のプログラミングスキルを活かして実際に社会課題解決の現場を知ってみたいと考え、インターンを探していたのですが、どうしても「技術力をつける」「ビジネススキルを伸ばす」にフォーカスした活動が多くて。そんな中で、たまたまCLACKのHPにたどり着いて、「生まれ育った環境に関係なく、子どもが希望とワクワクを持てる社会」をビジョンに掲げて、IT・デジタルといった手段を用いてそれを実現しようとしていることを知った時、まさに「ここで活動したい!!」と心から思える場所を見つけた感覚になりました。

Q:これまでどんな高校生と出会ってきましたか?どんな変化がありましたか?

沢山の高校生に出会いましたが、中でも今回紹介したいのは、自分ではなかなかプログラミング教材を進めていくことが出来なかったAさんのお話です。
当時私は大学生メンターのマネージャーをしていて、Aさんを直接担当する大学生メンターをサポートする役割で関わっていました。

Aさんは、誰かが横にいないと固まってしまう。学校も行けなかった時期があったみたいで、教室に入るのもしんどくなってしまうこともありました。
 
担当の学生メンターと考えながら、まずは仲良くなるところからだ、と思って雑談を多めにとったり、体調が悪いときでも学びを続けられるようにオンラインも導入したり工夫をしてきました。
少しずつ、少しずつ打ち解けて学習を進めることができました。

高校生の「今」を思うと、分からないところを教えてあげたい。だけど、「将来」を考えたとき、Tech Runwayがが終わった後はついていってあげられない、だからこそ、自分からヘルプを求められるようにグッと我慢してでも、待とう。
そんな葛藤もありました。

高校生にとって、今と将来を見据えて何がいいのか、ちょっとおこがましいかもしれないと思うときもあるけど、考え続けていきたいと思っています。

Q:高校生と向き合う中で大切にしていることは何ですか?

高校生にとって、何がいいか考えることと、ひとりひとりに寄り添うことです。
「自走支援」って一言で語ると、かっこいいし、綺麗だけど、その中身は一人ひとりによって違う。いろんな背景がある高校生もいます。
その中で、何が目の前の高校生にとっていいのか、常に考え続けています。
CLACKの支援は、ITやテクノロジーも出てくるけど、どれだけ高校生に寄り添い関係性を作りながら伴走するのか、そういった人の力の大きさを感じています。

Q:ぶっちゃけ、活動の中で沢山の葛藤もあったのではないでしょうか。

メンターは生徒の3ヶ月後、1年後、5年後の理想状態を設定して自分のアクションを決めていきます。基本的には、本人の良さを伸ばしたり、「この部分をもっと伸ばせたらきっと輝く!」と思える部分を考えていきますが、どうしても「どうしてそれが高校生にとって『良い』と言えるのか」「メンターの押し付けになっているのではないか」という問いが残ってしまう。そういった時は、周りのメンターに意見をもらったり、高校生と話して高校生自身がどうなりたいと思っているのか聞いてみたり、自分の主観的な「良い」以外のたくさんの情報を集めることで納得のいく理想状態を設定していきました。


Q:活動に参加したことで、高校生の変化だけでなく、金子さんにも変化はありましたか?

自分が頑張れば頑張るほど、高校生の良い変化に繋がります。シンプルに目の前の相手のことを一番に考えて、その人のために頑張れる機会があるって、なかなかない。その時間が持てるのは、とても貴重なことだと思います。

さらに、高校生との日々のコミュニケーションも魅力です。大学生も含め、いろんなタイプの人たちと週に2回も会うので、自分の場合は本当に日々が充実しました。
高校生とは、「教える」「教えられる」の関係に留まらず、彼ら/彼女らとの会話の中で、自分の信念や価値観、あるいは固定観念に気付かされることが多くありました。メンターは毎週教室後に「リフレクション」を行い、その日の自らのコミュニケーションなどについて振り返りを行うのですが、その時間も客観的に自分を見つめ直す機会となっています。

今日は、大学生メンターの金子夏蓮さんにお話をお伺いしました。
目の前の高校生に直向きに、常によりよいものを目指してアクションし続ける姿がありました。

CLACKでは、現在大学生メンターを募集しています!
今回の記事を読んで少しでも興味を持って下さった方は下記のURLから大学生メンター募集の詳細をご確認ください。

大阪 https://activo.jp/articles/93030
東京 https://activo.jp/articles/93031


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