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チューリップ好きは猫好き

ハナノハナシ。
最初に取り上げてみたのはチューリップという球根植物について。
三月。
春という季節の幕開け的な時候。
真っ先に浮かんでくる花でもありますね。
実際にチューリップという花が外の世界で目を楽しませてくれのはもうちょっと後になるんだけど。
花を扱っている花屋では切り花としても鉢花としても今がピークで辟易するほどと言えるほど、押せ押せの主張を繰り広げてます。
花屋的には年末からチューリップは主役級の場所を店先ではっているので。
今さらという感覚なんだよなあ。
でも、三月、春という季節は花屋的には繁忙期。
桃の節句から始まって、卒業式卒園式や入学式や入園式。
そしてジャンルは違うけど。
春分の日、お彼岸ってやつね。
お墓まいりと花屋さんってのみなさんはあんまりくっつけてイメージすることないかもしれないのだけど、結構なものなのよ。
春のお彼岸というのは母の日とともに花屋の繁忙期の極にある日なのです。

そういう春の商材としてのチューリップ。
ただただ可愛いから主役ってことではなく。
使える花なので主役なんだよなあって繁忙期の渦の中でしみじみ思うのです。花屋で仕事がたくさん入ってくる>たくさん花が仕入れられて入荷してくる。花は入荷されるとそのまま花瓶に入れられて販売されるのではないのです。
これは切り花という商材についてなんだけど。
切り花は各産地から市場を通して箱に入ってやってきます。
ここから束になった切り花を取り出して、水あげが良くなるように葉を取ったり棘を取ったりといった下処理をします。
これがね。
バカにならないほど手間で時間がかかるんだな。
切り花の入荷の日は帰宅時間が遅くなる。
こういう作業を花屋では水あげというふうに言ってます。
春には他の季節以上に大量に切り花が入荷するわけなんだから。
この作業時間もハンパないものになるはず。
だけど、チューリップはもう入荷した時点ですぐ使える形態なんです。
まず球根植物なので茎をハサミで切って水につけるだけ。
意味は球根植物は切り花として維持するために色々手間かける作業しなくても良い。
枝物や球根植物ではないものは、お湯で切り口を茹でる?みたいな手間がかかる作業工程踏まないといけない。
球根植物は根から切り離されても吸水性が高いからなんです。
語彙が乏しいのでうまいこと説明できてないと思いますけど。
ま、チューリップは手をあんまり入れなくても即戦力で使える。
そんなニュアンスで理解してください。
そして形や色とか圧倒的なバリエーションがあるし。
まあそれがチューリップの本来の存在感なわけなんだけど。
使い勝手が良いというのも花屋の繁忙期には大事な条件です。
現在はこのチューリップという主役を凌駕する存在があります。
それはラナンキュラスという飛ぶ鳥落とす勢いの超主役。
この花についてもいつか書いて見るつもりです。
が、やっぱり大量にこなしていく繁忙期の使い勝手の良い花材としてはやっぱりチューリップの右に出る存在はないと思うのです。

花屋的には便利なチューリップ。いいとこづくめのようだけれど。
利便性が良いというだけで人の心はつかむことはできないわけで。
それも花ですから。
もともと花なんか実用的って概念から見たらほぼ必要ない。
花屋には利便性が良いってだけじゃお客様に喜んでいただけないし。
ところがね、便利を連呼したけれど。
人様に忠実でいいなりになってるかと言うと、そこはちょっと違うんですよ。チューリップってなかなか思い通りにはならない花です。
花なのに生きてる!!。
それは当たり前、生き物だし。
動くのです!!。
それは生き物だし動くでしょうよ。成長もするでしょうし。
でもさ、植物の動きって人間の肉眼で確認できるほどの速さで動くわけじゃないでしょ。
チューリップが踊ってる姿を見れるんだよってのはウソだけど。
一日ごとに茎が伸びて数日すると花の重さで茎は重力方向に下降していくし。気温が上がれば花がカーッと開き温度計がわりになるし。
花瓶に生けても思ったようにじっとしていてくれない。
花束作ってもこっち向けあっち向けと思ってもなかなかゆうこときかないことあるし。
このチューリップに手出さなくちゃ良かったと冷や汗かくこともざら。
こういう存在って何かに似てるよね?。
なんかいつも自分本位のマイペース。
だけどその仕草に抗うことはおろかそれが癒しなんだよねとか言わせちゃう悪魔的に人心を惑わす。
それそれ。。。「猫」です。
チューリップと同列に並べるのはちょっと無理があるのかもしれないけれど。花屋って猫好き多いし、店先に猫いるとこ多いんじゃないかな。
そして、チューリップの奔放さを愛してる人って猫の奔放さにも同じような感情抱いているんじゃないのかなってね。

チューリップという花。
子供の頃、最初に描いた花の絵ってチューリップだったような気がする。
赤や黄色や紫やピンク。
カラフルな花の色。
クレヨンを代わる代わる使うのがほんとに楽しい。
どんな子だって夢中になる。
チューリップは絵を描くことが楽しいって気づかせてくれるモチーフじゃないのかな?。
その記憶がずっと続いていく。
卒業式や入学式といった学校行事のある季節。
大人になるとどんどんその世界や記憶が薄らいでいっちゃうんだけど。
花屋でいると毎年その輪郭線ぐらいには触れることができます。

思うがままにクレヨンで塗りつける絵を描く子供。
思うがままに毛づくりしたり遊んだり寝ている猫。
子供達の魅力も猫にに通じるとこありますね。
人の都合、大人の理屈をごり押しすることで通じ合えないし。
でも、人、大人が見守っていないとね。

チューリップという花のフィルターを通して見えてくる猫と子供。
自分は子供もいないし、猫も飼っていないけど。
春とチューリップのおかげでちょっとだけその風景に触れることができるのかもねって。

そういう話でした。

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