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6月24日/2023

(続き)

登山道に入っていく。昨晩の雨で地面は湿っている。登山道に入ってすぐ急な道。滑らないようにわりと気を使う。あたりを覆う湿気た空気。今日は気温はそれほど高くないが汗が吹き出す。もうしっかり夏だなあ。リュックから防虫スプレーを取り出して身体中に吹き付ける。なんだかいつもにも増して足取りが重いことに気づいて早々にストックを一本出してみる。ちょっと歩もスムーズになったかな?。それにしても体が重い。ちょっとした階段でも息が切れる。このコース今まで息が切れた経験もないのに。まだ歩き始めたばかりなのに水もけっこう飲んでいる。やばいんじゃない自分?。帰ろうか?。そんなことも考えてる。まずとにかく吾妻山の休憩ポイントでまいばすけっとで買ってきたおにぎり食べてから判断しよう。吾妻山までってこんなに遠かった?。緩い登り。ところが今日は悪戦苦闘だ。きつい辛い。まるで大倉尾根を登っているみたい。最近ゆるいところばっかりに行ってるから体鈍ってる?。いや、山行は思い立ってくるようなもんじゃないんだ。体調整えないで、二日酔いみたいな状態で出かけてきたのが悪い。いつもは休憩場所以外では立ち止まることもないコースなのに今日は何度も立ち止まってため息とも取れる深呼吸をしている。真面目に秦野駅まで到達できるのか?。はてしない道のりに思える。そんなことより弘法山までさえ到達できるの?。そんな思いがぐるぐる頭の中を駆け巡る。目前の坂道を登り切ると吾妻山の東屋の建物が見えてくる。わー、助かった。雪崩れ込むようにベンチに座り込む。まずは水をゴクっとやって、リュックの中からおにぎり。別に空腹は感じていなかったので、おにぎりは水で流し込む感じ。美味しさとか味もほとんど感じない。ここは視界も開けていて眺めもいい場所なんだけど、今日は風景を堪能する余裕もないな。これからどうしよっかな?。進めるかな?。引き返すならここだよ。これ以上行くと戻るにしても進むにしても簡単じゃなくなる。ここから鶴巻温泉までなら15分で戻れるはず。ん?。まだ15分しか歩いてないのか?。それなのにこの様はどうしたことか?。そんな屈辱感が闘志に火をつけたのか、前に進むことに決定した。そんな闘志なんて迷妄以外の何物でもないんだけれどね。ともかく次の目標、善波峠までは行くと決めた。歩き始める。意外といける。食料補給とはやっぱり効果絶大ということ。あんなに四苦八苦して歩いていたのが嘘のよう。というのは嘘だけどね。まあ、そこそこ普通に歩けるようになった程度。でも、これならゴールの秦野駅までいけそうかな。善波峠までのアップダウン。こんなにあったっけ?。という感じ。やっぱり今日は本調子じゃないのかも。でも、どんどん歩いていくと調子悪いんじゃないのかと疑念抱いてたこともすっかり忘れていることに気づいた。おにぎり一個が栄養になって体に効果を与えてきたらしい。もっと腹に入れるもの欲しいところだけど、今日の持参の食料はもう食べ尽くしてしまった。頑張って先に進んで帰り道まで辿り着かないと食料にありつけない。頭の中には食べ物のことばっか。健康の証。そして善波峠に差し掛かる。ここまできたら、この先はこのコースで一番快適な道のはず。善波峠を過ぎてなだらかで穏やかな道になると、ようやく山歩きを楽しめる余裕が出てきた。足元のキノコや花々。頭上に生い茂る緑と鳥の囀り。木々の合間からは雲のかかった丹沢の表尾根の山々。快調に歩いていくと自販機と舗装道。そこから再び山道に入り階段登ると弘法山。眺望のいい場所だけど、今日は先客は一人だけ。天気イマイチだし。平日だし。梅雨時だし。でもこっちにとっては好都合。展望が一番いいベンチに座って休憩にしましょう。ここから先は公園みたいなところ通って下るだけだ。体調あんまりでもなんとか今日の山行は完了できそうだ。一息ついたら、さあ帰ろう。そして王将にでも行ってラーメンと餃子を心ゆくまで堪能しよう!。今日も山の神様ありがとうございました。って、まだ帰っていないけど。

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