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大山寺で御朱印をいただく。

2023/10/17

朝の相鉄線。海老名が近づいてくると、黄金色に色づいた田園風景が車窓に現れ始める。横浜からすぐなのに旅感がグッと込み上げてくる。前回、前前回と海の近くの山行が続いたので、今回は山側、丹沢の山行を選んだ。でも、あんまりハードなのは望んでいないので、大山へ向かっているところだ。その大山も今日は頂上目指さない。大きな目的は大山寺に詣でて御朱印をいただくこと。メインの阿夫利神社の御朱印は以前いただいているんだけど、大山寺は訪れたこともない。この頃、大山はヤビツ峠からばかり楽して登っているから、今日は正面からこま参道通って女坂から登って下社かすめて見晴台まで行ってご飯食べて帰ってこようかなという算段。あまり明日に疲労残したくないから、大山の山頂を目指さずにあくまで大山寺の御朱印を最終目的とした山行にするつもり。海老名で小田急線に乗り換えて伊勢原駅。そろそろ通勤通学ラッシュが始まる時間。人が行き交う駅前のバス乗り場で大山行きのバスを待つ。その行列は時間が経つにつれどんどん伸びていく。大山に行く人ってこんなに多いの?。多分今行ってもまだケーブルカーも動いていないと思うんだけど。でも行列に並ぶ人々は見るからに山に行きそうな人も混じってはいるが、明らかに通勤の人や小学生がメインのようだ。やがてバスが停留所にすべりこんくる。素早く運転手の後ろの座席に座り込んでイヤホンで音楽。自分だけの世界に没入する準備。バスの中にどんどん人が入ってくる。座れてよかったな。ちょっとバス来るまで待ったけど、これで一息つける。直にバスは発車。車窓がゆっくりと動き出す。伊勢原の街並み。けっこう大きいな。色々な店がある。バスは途中徐々に乗客を吐き出して進んでいく。風景も徐々に街から山の風景へと変化。丹沢山塊の懐に入ってきたなと実感してくる。乗客はどんどん減ってくる。残りの人は大山に向かう山登りっぽい人たちだけになってきた。このバスの終点に近く入ってくると大山の門前町っぽい風景。川にかかる赤い橋。狭くなってきた川沿いの道をバスが進む。異世界感が増してくる。テンションも上がる。バスはゆっくりと右に展開して、大山ケーブルカーのバス停へと滑り込んでいく。さあ、着いた。運転手さんありがとう。伊勢原から乗った人たちはたくさんいたけど、ここで降車した人々は数人。大山に詣でるにはまだ早い時間なのかな?。今ここで下りた人たちは参拝客ではなく、大山に登る人なんだと思う。ケーブルカーの始発までにはまだ時間あるし、下社まで登るには自力に頼らないといけない。バス停から歩くと間もなくこま参道に入る。石の階段道。両側には豆腐料理店やお土産屋さんが延々と並ぶ。まだ営業前ばかりだ。両側に並ぶこれらの建物と同様に階段も延々と続いている。山道に入る前にしてはけっこうキツい山行の始まりだ。とはいっても、間も無くケーブルかーの駅が見えてきて、こま参道もおしまい。観光気分もここでおしまい。ここで分岐。←女坂 男坂→。今日の最大の目的は大山寺の御朱印をいただくこと。大山寺は女坂の途中にある。だから女坂の方向に行かなくちゃいけない。それは言い訳でもあって、前回大山を訪れた時、迂闊に男坂を選択してえらい目に遭ってしまった。急な階段の連発。今後、男坂と名がつく場所は絶対選ばないと心に決めた。なので今回も男坂はもちろんパス。そういうことで女坂を登り始める。緩い階段が続く。緩い階段とはいっても想像以上に続くので侮れない。こま参道から続く階段登りにも次第に飽きてきた。というより疲れてきた。さすが丹沢の山だ。男坂とまではいかないまでも、女坂だってちゃんと山してる。心の中で弱音を吐き出した頃、右手に壁のような階段が登場。手が入った建造物としての階段。両脇に灯籠や鴉天狗みたいな銅像が見事な装飾も施されて、手すりまで設られている。でも階段は階段。それも登りごたえがありそう。ここの上が大山寺。この急階段片付けないと大山寺には行けないってことだ。さて考えていても仕方がない。登り始めよう。見た目どおり、ここまで登ってきた階段をさらに急にしたような感じ。一歩一歩しんどいなと心で呟きながら、頑張って登り切る。登り切った場所は大山寺の境内。まずは近くにあったベンチに腰掛けて一息。まるで頂上に着いたような達成感あるな。それほどの時間山行しているわけではないけれど、けっこう疲れたよ。水を一口含みつつ、周囲を観察。阿夫利神社みたいに荘厳で人で混み合っているわけではないが、小さいながらもいい感じの社だ。前なんかの動画で見たことがある瓦を投げるアトラクション?の看板がある。立ち上がってその現場に行ってみる。崖下を見ると下の方に赤い円。ん~既視感。あそこに瓦を投げるわけか。おもしろそうだけど、やってたいと思うほどではないのでそれはスルー。お寺の建物に入って御朱印をもらおう。お寺の中各種お守りも並んでいる。御朱印は誰にお願いすればいいのかな?。忙しそうにお寺で開店というのかわからないけど、作業服を着て開店準備している人に声をかけて御朱印のことを聞くと、はいどうぞという意外な答え。その人に御朱印帳を渡すと席に座り硯で墨をささっと擦り、御朱印帳に筆先を向ける。ダイナミックで力を感じる筆跡。まさに作業服を着た彼にびったり。ありがとうございました。服装は想像のはかけ離れているが、この人もお坊さんなのかな?。服装はどうでも、こんな豊かな文字をいただけて、とても嬉しい。今日の山行の目的これで果たせた。これだけで帰ってもいいけど、もうちょっと先まで行く。まあ、もう一息ついて行くとしよう。大山、マジ油断ならねえって感じなので、せっせと歩くと明日に響きそう。お寺から出て外のベンチに腰かける。お参りの人がけっこう登ってくる。みんなお参りしてすぐに通り過ぎて行く。ここで休まないですごいな。疲れないのかな?。自分がヘタレだっていいや。丹沢の山は目先の元気で突っ走っても、やられるからな。そんな負け惜しみいつまで言っててもしょうがない。そろそろ靴紐締め直して歩き出そう。下社まで半分ぐらいは来たかな?。リュックを背負って歩き始める。ちょっとだけ平地を行くと、階段の再開。今度はさっきまでの階段を上回る急階段。もう、階段というより岩登りに近い感じ。でも手すりがついてるところが、微かに階段感を残している。これは休み休み行かないと登りきれないや。階段的な感じはあるけれど、踊り場とかないんで、疲れたら足取り止めるといった感じで休む。崖の下をケーブルカーが悲鳴を上げながら登っていく。ケーブルカーも大変そうだな。でも人力で体を持ち上げていくこちらも大変。気力振り絞って登って行こう!!。それにしてもどこまで続くんだこの岩の階段。バカ尾根ほどじゃないけど、バカじゃないのか?。この階段。と思い始めたところで下社の下のトイレ前に到着。ここまで来れば下社はもうすぐそこ。でも、今の状況だとまたまた階段登って下社によるのは敬遠したい。下社へと続く階段と別方向に小さな鳥居が見えてそちらにも道が延びている。覚えある鳥居だな。見晴台から下ってきた時に見る鳥居だ。これて下社をスルーして見晴台に行ける巻道だ。下社は帰りによればいいや。このまま鳥居の方向に行ってみよう。ここでやっと岩の階段から解放される。急に体が軽くなったみたい。足取りもスムーズに前に出る感じになってきた。いったん、休憩したいところだけど、場所もないしここから先は割と平坦なのでこのまま見晴台まで行ってしまおう。快調に歩いていくと滝が見える。まだまだ夏感に満ちている今日の日差しに清々しさえ感じる。思えばさっきまでの崖の階段道では登ることに精一杯で気づかなかったけど、まだ木々の葉っぱは生い茂っていて紅葉の季節の到来の予感はないかな?。さっきまでの階段の急な道から解放されて歩きにも余裕が出てきた。それでも道には岩が出てきて多少のアップダウンもあってあながち気も抜けない。お腹もすいてきたし。ここにくるまでにどっかで何か口に入れとけばよかったな。今日は軽めのトレッキングと思ってリュックの中にカップ麺しか入っていない。カップ麺食べられるような場所は見晴台に行くまでないよなあ。それまで水でも飲んで我慢。歩みを止めて水を一飲み。でも、なんかちょっと身体の動きが鈍くなってきたような。平穏なはずの道もなかなか歩きがいのある道に思えてくる。この道って、こんなに岩多かったっけ?。そして思ったより長いなあ。最初は階段の登りから解放されたとナメて歩き始めたけど、やっぱり丹沢の山歩きに違いはない。逆に今日は大山の頂上まで行くつもりなかったから、ホントにキツい道登ってないから、少し大変な道にさしかかると泣き言出てしまうんじゃないかな。力湧かない。気分的には遅々と進んでいるようなんだけど、歩みを止めているわけではないので、前方が開けてきた。見晴台はもうそこだ。たくさんのベンチが並んでいる。さあ、ここでようやく食事タイムだ。そう思ったが、やってきた道とは別方向に進む道があり。山アプリにそこに展望が見渡せる場所が記されている。そこまでちょっと行ってみるか。階段道をしばらく下りていくとススキの穂の向こうに相模湾と丹沢の山々が見渡せる場所に出た。今日は絶好の絶景日和なので、気持ちが昂る。この前湘南平から見えた丹沢方面からの景色、今度はそちらから湘南の方を眺めているわけだ。神奈川県西部を俯瞰している感じ。神奈川県は横浜だけじゃない。こんなパノラマが広がっている地域もあるんだよね。さあ景色も堪能したので、見晴台に戻ろう。振り返ると下りてきた階段が思ったより長く待ち構えている。仕方ないや下りちゃったんだし、頑張って登り返す。正面に大山の頂が見える。一瞬ちょっと行ってみよかな。なんて頭をよぎるが直ぐに打ち消す。今日はこれ以上体力消耗しないこと。そう思ってきたんだから。見晴台でご飯食べて撤収を貫こう。調子に乗って大山目指すと結果が見えている。あそこで帰ってれば良かったと。丹沢の山は侮れない。さあ、階段を登り切ったら見晴台に戻ってきたよ。今日は誰もいないな。近くのベンチにリュックおろして、ようやく休憩タイム。カップ麺とお湯出して、念願の食事。カップ麺の出来上がるのが待ち遠しい。ここは見晴台とは言ってもメチャ見晴らしがいいというわけではない、でも、視界が開けていて関東平野の方を見渡せる。大山の頂上もきれいに見える。山肌はそろそろ紅葉が始まっていて色づいている。ちょうどいい季節にやってきたな。本格的に紅葉シーズンになったらここも混むんだろうし、それが一番嫌だし。そうこうしているうちにカップ麺もできたかな?。今日はカープヌードルの普通のやつ。大山を眺めながらのカップ麺。今日も最高の食事タイム。下の方から子供のはしゃぐ声が聞こえてくる。元気に山道を登ってくる男の子とそのお父さん。着いたー!!。嬉しそうにやってきて、少し離れたベンチに陣を取る。お疲れ様~!!。達成感で弾む親子の会話。それを耳にしながらカップ麺を食べ続ける。彼らはここで一休みした後、大山の頂上へと向かうらしい。軽装のところを見るとケーブルカーで下社まで登って、ここまで歩いてきたんだろうな。子供は登山って楽しいねとか言ってる。ここまでは登山じゃないんだよ。ここまで登り下りがほとんどない道を1時間。ここから先は登りっぱなしを2時間弱。けっこうきついけどきっと行けるよ。がんばって!!。カップ麺の中身もそろそろ尽きるかな。って頃になると、うるさいおばさんの団体がやってくる気配。さあ、長居は無用。そそくさと片付けて、出発準備。これからきた道を戻って、ケーブルカーで下に降りよう。大山の山行というと大分手抜きでお気楽コースだったけど、今日はこのぐらいがちょうどいいかな?。色づき始めた紅葉も見れたし。今日も山の神様ありがとうございました。

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