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不動尻にミツマタを見にやってきた。

2024/3/19
久々に車出した。最近近場ばっかりだったからね。それに山行の帰りはバスや電車のほうがずっと楽だし。次第に車で出かけることも少なくなってきた。今日はいつか見たいと思っていた。ミツマタの群生。それを見に大山の麓の有名な群生地、不動尻を目指してやってきた。不動尻の最寄りは車が便利。それに大した距離じゃないので今日は車を選んだ。広沢寺温泉駐車場を目指す。まったく土地勘なし。道案内はGoogle先生にお任せ。新東名降りて七沢温泉とか通っていると、ここが厚木なのかと驚く。本厚木とか厚木インターのイメージしか持っていないからビックリだ。七沢温泉も過ぎると道の両脇は森が深まってくる。今日は雨マークついてなかったけど、今のところ曇天。まだちょっと肌寒いかな。駐車場開くのが8時だったから普通の山行より、ゆっくりした出発だってけど、8時ちょっと前に到着。もう数台の車が来ている。なんだそれならもう少し早く来てもよかったのか?。ミツマタの最盛期迎えているみたいだから、ものすごく混んでるのかと思ったけど、まずは無事に車停めれてよかった。先に止まっていた車から人がどんどん歩き始めている。駐車場に停められたから、後は特に焦る必要ないか。のんびりしてたら明るいうちに帰って来れないなんて心配もなさそうだし。ゆるりと身支度整えて舗装の道を人々が歩き去って行った方向へと着いていく。もうだいぶ先に行っちゃったかな?。それにしてもあの人たちポール突いて歩いて行ったな。ミツマタの群生地まで全部舗装されてるはずだったから、ポールなんて持ってきてないぞ。大丈夫かな?。ちょっと不安。とはいえ持ってきてないものはしょうがない。ま、どうにかなるだろう。そう、今日はほんの観光気分でやってきたんだし、気楽に行こう。曇天で眺望は期待できないとは思っていても大山周辺の山々が迫っていて、山行気分は充分楽しめる。集落の雰囲気がここが厚木?っていう感じが楽しい。集落から杉並木の森に入って行く。鬱蒼とした空気感。さっき先に出て行った数グループに追いついた。杉林に入ったあたりで舗装道路の勾配が若干上がってきた。一休みの一団。こんにちは!とあいさつしていき過ぎる。高い杉の木が立派で美しい。進んで行くとどんどん森が深くなっていく感覚。人の姿がグンと小さく見えるようになってきた。そんな巨大な森を進んで行くと前方に閉じたゲートが現れる。ここから先も舗装はされているけど、車両は侵入禁止。ゲートの横から人はすり抜けられる。ここを通り抜けるとさらに道の勾配は急になる。息もけっこう上がってきたか?。登りの坂を登り最初のカーブを曲がると暗闇の点が現れた。トンネルだね。山歩きでトンネルなんてあんまり通ったことないから、ちょっとワクワク。せっせと歩いていくとトンネルにまもなく突入。向かい側の光の点はわりと大きく見えて出口もすぐそこか?。と思っていたが闇の中を歩き出すと全然進んでいる気がしない。前方の光は全然大きくならない。ふりかえるどやってきた光の国はまだそこにある。目先の光景が完全に暗闇というわけではないが、足下はやっぱり確認できないほど闇に包まれている。マジ怖い。道には何も落ちていないし凹みもないと信じて歩くしかない。ヘッドライトあった方が心理的に大分楽だろうな。その点で今日の山行で最大の難所かも。肉体的じゃない精神的に辛い場所かな?。ビクビクしながら歩いて行くとだんだん光も大きくなってきた。遠く感じたが出口は着々と近づいてきた。そして、光の中に戻ることができた。しかし、帰りもここを通らなくちゃいけないのはちょっと気が重いな。トンネル出ると雑木林。春も徐々に熟してきて、いろいろな花木が花を咲かせている。サンシュユ、キブシ、そして、サクラの蕾みも膨らんでいる。直に丹沢の山々は花盛りを迎えるのだろう。それにはちょっぴり早いのかもしれないが、いい季節にここに来れて本当によかった。花だけじゃなくて、ウグイスの鳴き声も心地よい。待ちに待った春満喫の1日になりそうだ。というかなっている。樹木の向こうには川も流れている。その向こうには丹沢の山々。どこがどの山なのか全然わからないけど、この道は大山に続いているのだから、ここもそれなりに山深くなってきた感じがする。道は舗装されているけど山肌から水が流れ出て道を濡らしている場所も出てくる。舗装道路でも、山靴の方が歩きやすいと思う。両脇の木々の花の蕾の膨らみ具合なんかを気にして歩いているうちに前方に黄色い花が目に入ってくる。いよいよミツマタの登場だ。最初はチラッと垣間見えた程度だったけど進んで行くに連れて花の範囲は想像以上に広いことに気づく。こんなにたくさんのミツマタの花が咲いてるの見たことない。スマホ出して写真撮りまくり。でも、山アプリで確認するとメインの群生地はここじゃない。まだ先のよう。ここでこうなんだから、そこはどんななんだ?。期待が高まらずにはいられないではないか!。足取りが早くなる。そして橋が現れその向こう、曇天でやや薄暗く見える林の足元を黄金色の花が彩っているのが見えてくる。延々と広がるミツマタの幻想的な景色に鳥肌が立つ。こんなすごい場所なのに誰もいない。まるで秘密の花園に迷い込んだみたいだよ。不思議の国のアリスみたいな気分になってミツマタの花の下を彷徨う様にスマホのカメラかざして惚け回る。どこまでもどこまでも続くミツマタの花畑。ほんとにここは現実の場所なのか?。ここにはベンチもいくつかあって、開けている。せっかく誰もいないし座ってゆっくり眺めよう。ついでにカップ麺でも食べていこう。落ち着いて見てもミツマタの木々は杉林の足元を縫うように奥へ奥へと広がっている。想像以上だ。来てよかったな。きっと日差しが差し込んでくればもっと色の彩度が増すんだろうけどさ、これでも充分満足です。人の話し声が聞こえてきた。駐車場にいた人がいよいよ来たっぽいな。ざわざわしてくる前に帰ろう。夢の世界は充分過ぎるほど堪能したよ。カップ麺もゆっくり味わって食べたし。もう何もいうことはない。山の神様、今日もありがとうございました。

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