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スマホ依存 vol.11

各家庭で、スマホについて考える時に次の3つの項目で整理しながら進めていただいたらと思う。

1.大人と子供とでは違う!

このテーマについては、vol.3でも触れているので読み合わせてもらうと良いと思う。

前回の投稿でも名前を出したフランスの哲学者のジャンジャック・ルソーは「子供は大人を小さくした存在ではない」と言っている通り、見た目の体の大きさだけでなく、当然その脳も精神も子供は未熟な状態であり、これから成長していく。

私は3歳児くらいから小学生までの子供達の運動指導を長年やってきているが、幼児期に教える大切な動きの一つは「制御(ブレーキ)」である。

子供達は、基本自由にしておけば、じっとしていないもの。大概は走り回る。よく保育園の先生たちから、「子供達を静かにさせる方法を教えてください」と聞かれることがままある。

なので、運動遊びのプログラムの中に「制御する」動きを取り入れる。

簡単に言えば、合図でスタートしたり止まったりする運動である。

それだけではすぐに飽きてしまうので、合図やスタート姿勢を変えたり、単に止まるのではなく、進行方向を変えたりするなど色々とバリーエーションを用いる。

基本、子供は瞬発的なことは得意だが、持久系は苦手である。

このことは親をはじめ、子供を扱う仕事をされる方は頭の片隅に置いておくと良い。

話を戻そう。

脳、精神も未発達の子供達は、「セルフコントロール」する力が未開発状態である。

そこに刺激の強いものを与え続ければ、自律力が育ちにくくなることは想像がつくと思われる。

まずは、この大人と子どもの違いの大前提としての「発達途上の子供達」という点を抑えたい。

2.デジタルリテラシーの重要性

リテラシーの意味は、特定の分野において必要な知識やスキルを持ち、情報を理解し、効果的に活用できる能力のことを指す。

なので、「デジタルリテラシー」はデジタル機器を介しての情報を批判的に読み解き、正確な情報を見極め、パソコンやスマホなどを効果的に利用する力のことである。

具体的には下記の3つのキーワードを挙げておく。

①「漏れない情報」

「漏れない情報」については、vol.5で触れているので合わせて読み直していただきたいが、「脳は変化する」と「医学の無力さ」の2点である。

「脳は変化する」というのは、vol.5に記したが、1歳時のスクリーンタイムの長さと3歳時の自閉スペクトラム症との関連が実証され、デジタル機器の子供達の脳を変化させることが科学的に明らかになった。

また、「医学の無力さ」とは、依存症は回復は見込めても完治には至らない、という医学の限界を示唆している。

デジタル社会の構築に向けて振り切っている政策をとっている日本の社会において、先の2つのような情報は表沙汰になりにくい情報である。

今の世の中、マスメディアが流している情報、あるいは国が流す情報だけを鵜呑みにすることは片手落ちで、通説と思える情報の真逆の情報を入手することは、現代社会を生き抜くためのサバイバルスキルの一つとして心したい。

②デジタル機器のリスク、セキュリティーについて

vol.6以降で「ジョブズ親テスト」をご案内したが、その一つに「いじめが起きてしまった場合、スマホを持っている子どもの方が持っていない子供よりも酷い目に遭いやすい」という問題があったが、この答えはYesなのだが、パソコンと違ってスマホはどこへでも携帯できるのが大きなメリットであるが、それが故に、子供が自分の部屋に持ち込むことができ、そうなれば親はノータッチ、野放しになってしまう。

そうなれば子供は自分で身を守るしかないわけだが、そこでトラブルに巻き込まれて自力で解決できなくなり、最悪犯罪に巻き込まれていく場合もある。

個人情報の扱い方についても学ぶ機会がない。

身を守る方法を教えなくてはならない時代であることを大人側が認識していないことのまずは気づくところからのスタートが現実なのではないだろうか。

③子供と一緒にルール作り

もうすでに子供にスマホを与えてしまっている家庭においては、まずは子供と話し合って、使用する時間についてルールを決めることが大切であろう。

その時ポイントとして、スマホを使いすぎることがなぜ良くないのかを子供に説明する。ここは、vol.6からの「ジョブズ親テスト」を参考にして、子供にそのリスクを説明してほしい。

ちなみに、ある調査で小学4年生の時点でルールがある家庭は8割で放任している親は少数派なのだが、中学3年生でそうした過程で決めたルールを守れているのは1割。

これが現実であることも抑えなければならない。

以前からご案内の「スマホ依存予防学会」が唱えている「スマホを持たせるのは、なるべ遅い方が良い!」というのはこうした現実からも正しいと思う。

まだ持たせていない家庭においては、子供にスマホを持たせない工夫を友人、あるいは学校と話し合いをもつことも考えていただきたい。

3.大人も取り扱いには十分注意が必要!

この章の最初にも「大人と子供は違う」として、子供は成長段階で大人とは違うわけで、したがって大人と子供同じ土俵では扱えない。

私もパソコン、スマホなしの生活は考えられないし、社会がデジタル機器をなくしてアナログの世界に戻ることはない。

したがって、やはりこのデジタル機器をどう活用していくかが求められる。

スマホの子どもの脳への悪影響についてはこれまで記してきているが、ここ数年でかなりこのスマホの扱い方についての本も多く出版されてきていて、大人の我々も注意が必要なレベルに至っている。

まずは、意図的にスマホを触らない時間帯を作ることが必要であると思う。

その場面は、子供達と時間を共に過ごす時間帯を最優先にしたい。

子供は親の背を見て育つ。

仕事で使うのは必要なことであるが、子供と交流する時間はスマホは置いて、目と目を合わせて話をすることが大切である。

ながらスマホをする親の子供は、やはりそうなる。

毎日の生活での出来事。何気なく過ぎていく時間だからこそ、気付かぬ内に習慣化してしまう。

家庭での自分のスマホの使い方を見直してみたい。






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