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ペリカーノジュニア インプレッション

ペリカーノジュニア インプレッション

 今回は、前回ご紹介したペリカーノジュニアを実際に使用してのインプレッションをお伝えしようと思います。

 まずは箱から。右手の平にRと書かれたアイコンがあります。これは右利き用であることを意味するもので、左利き用では左手の平にLのアイコンとなっています。特殊なグリップの形状をしているため、利き手の区別があるので、自分の利き手と逆用を買わないように注意しないといけません。また名前を書くシールもついているところが子ども用らしいところです。

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頑丈な作り

 見た目は無機質というか、全く飾り気はありません。低価格万年筆は一般的に華奢な作りが多いのですが、ペリカーノジュニアは子ども用ということで多少乱暴に扱われても大丈夫なように頑丈に作られているようです。だからといって頑強なイメージではありませんが、シンプルでありながらも各部分に必要な強度が保たれている作りになっています。

キャップの工夫

 キャップにはクリップなどの装飾はなく、ペン先のインクが乾くのを防ぐためだけの作りになっていますが、エンボス加工されたPelikanoの銘があしらわれ、外したキャップが転がらないように工夫されています。

実用性の高さ

 胴軸は太目でガッチリと握れる太さになっています。ここにも楕円状のふくらみをつけてあり、転がりにくくなっています。万年筆は落下させてペン先を傷つけてしまうと書けなくなってしまうので、転がり対策をしているのは実用性の高さの現れだといえます。全体としては、まさに文字を書くための文房具といったところです。

 そして最大の特徴は正しい持ち方に導いてくれる首軸にあります。指を添えると正しくにぎれるようにグリップにくぼみがつけられています。もちろん子どもに正しい持ち方を習慣付けさせるという意味合いがあるのですが、自己流の持ち方に陥ってしまった大人向けとしても有効なのではないかと思われます。

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欧州共通規格カートリッジ

 インクは欧州共通規格カートリッジ専用で、欧州共通規格であれば他メーカーのインクも使用できます。筆者はモンブランのインクカートリッジを実際に使用しましたが問題なく使えました。ちなみにコンバーターに関しては非対応ということになっています。

 純正カートリッジインクは、5本入りの「GTP5」と6本入りの「TP6」の2タイプがあります。両者の違いはインクカートリッジの長さです。GTP5はTP6の2倍の長さの大容量タイプとなっています。普段使いにはGTP5を、たまにスポットで使う色にはTP6と使い分けるといいと思います。他メーカーのインクカートリッジはTP6と同じ長さが標準サイズとなっています。ペリカーノジュニアはインクフローが良いため、TP6だと使い切るのが早いのです。

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重要なポイント

 最後にペン先です。Aという表示になっていて細字や中字という区分はされていませんが、太字に近い中字です。インクフローはとても良く滑らかに書くことができます。心地良い書き味です。また書き始めのカスレは皆無で、これは書くうえでのストレスが軽減されます。ここは結構重要なポイントだと思います。

インクフロー

 スーベレーンM400 F字との書き比べです。スーベレーンもインクフローの良い万年筆ですが、ペリカーノジュニアはさらに良いインクフローになっています。

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実用的な万年筆

 ジュニアとネーミングされていますが、実力の高さは子どもだけではなく大人でも十分に満足できる実用的な万年筆となっています。インクフローの良さと太目のペン先からの豪快な書き味が多くの人たちから高い評価を得ている理由だと思います。また価格がリーズナブルでシンプルな作りになっているためガンガン使えてしまう万年筆と言えるものでしょう。

編集後記 第14回


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