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【福田滉平】フジロックの魔力 #NewsPicksアカデミアレター

こんにちは。アカデミアでデザインを担当している福田滉平です。

今日から私の夏の恒例行事、新潟の苗場で行われるフジロックが始まります。今回は、どうして私が毎年フジロックに通うのか、その理由について書きたい思います。

ピューリッツァー賞 vs. ノーベル賞

今年は、ピューリッツァー賞の音楽部門を受賞し、先日は霞が関に突如現れた黒塗りポスターが話題となった、ケンドリック・ラマー。そして、昨年ノーベル文学賞に輝いた、ボブ・ディランが出演し、世界最高峰の賞を共に獲得した両雄のフジロックでの共演が、フジロッカーのもっぱらの関心事になっています。

しかし、私の思うフジロックの醍醐味は、こうした予定調和に終わらない、想定外の偶発性にあります。

オザケンを吹き飛ばす土砂降りの名演、Bjorkを脅かす二十歳

昨年は、十数年ぶりに電撃復帰した小沢健二や、アイスランドのディーバ、Bjorkなど、90年台サウンドの復活が話題となり、30歳中盤以上の来場者が増えた回でした。

小沢健二のライブには、スチャダラパーがサプライズ出演し、フルセットの「今夜はブギー・バック」。雨が降りしきる中、初めて生で聞くオザケンにスチャダラパーまでとは想定外。これが今回のハイライトになるかと思われました(もちろん、これがベストアクトだったという人もいます)。

しかし、雨が激しさを増して、土砂降りに変わり、苗場の森に雨音がこだまする中、始まったLCD Soundsystem。「Us v Them」のイントロのビートが流れ、ボーカルのJames Murphyの歌い出し、“The time has come, The time has come, The time has come today.”。続く「Daft Punk Is Playing at My House」のシャウト。豪雨の中の強烈なビートに、「今夜はブギー・バック」の24小節がどこかに飛んでしまう、目と耳だけでない、五感に響いた個人的ベストアクトになりました。

そして最終日、皆がヘッドライナーのBjorkを待つ中、現れた、ニュージーランド出身で、Bjorkと同じ女性歌手、当時20歳のLorde。ステージを縦横無尽に駆け回り、二十歳とは思えない圧巻のパフォーマンスに皆が心奪われました。

1年に一回の待ち合わせ場所

フジロックの偶発性は、ライブだけではありません。現地に行けば、仕事も住んでる地域も違う仲間がいます。毎年フジロック以外では、ほとんど顔を合わせることのないのですが、近況を報告しあって、3日間を過ごして、また社会に戻っていく。そして、その中には一緒に仕事をする仲になることもあります。

昨年フジロック会場で久しぶりに、それも彼が銭湯から帰ってくる道端で偶然居合わせた同級生の緒方とは、その後、連絡を取るようになり、いまはNewsPicksに加わり、インターンとして働いてくれています。

日常生活では反応しないような、五感をフルに使って、非日常の世界に身を投じることが、1年のインスピレーションと日々の活力になる。今年は、25日に発生した台風12号が見事なカーブを描いて、最終日の日曜日に上陸するとの予報。無事、ボブ・ディランは演奏できるのか。また予想を超える想定外の3日間が始まります。

福田滉平
2018.07.27

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