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ステキな45歳であるために。 藤原和博「45歳の教科書 実践編」

カッコよく魅力的な45歳であるために。

現在35歳の私は、45歳まであと10年。正直10年後となるとなかなか想像もつかない未来のことです。

先日、NewsPicksのイベントにおいて佐渡島庸平さんが、「10年後の自分が今の自分から想像できるような人でありたくない」ということをおっしゃっていましたが、今の私の目下の関心ごとは「10年後に今の自分が思いもかけない自分になっているために、今、何を積み上げるべきなのか」です。

そんな私が、「45歳までのこれから10年をどう生きるか」のヒントが満載だった藤原和博さんのイベント「45歳の教科書 実践編」をレポートします。

looks like さだまさし

この日の会場は、40代の方が7-8割、生藤原先生初体験の方が半数以上といったバランス。イベント冒頭、トークの達人でもある藤原さんのアイスブレイクが炸裂します。

「せーので、僕が誰に似てるか声出してみて」の問いかけに、会場中から「さだまさしー!」の声。別の名前を言った人が一人もいないのではないかというほどの揃いっぷりでした。

バッチリ掴んだそのあとは、リクルートのさだまさしから教育界のさだまさしへの転身の体験をもとに、情報編集力、キャリアの大三角形、信用(クレジット)とは、といった内容が語られていきます。

(1)情報処理力から情報編集力へ

藤原さんは、「これからは情報編集力が求められる時代だ」と主張します。

「情報処理力」とは、正解がある問題を解く能力で、頭の回転の速さのこと。「情報編集力」とは、正解のない問題に対して納得解を導く能力で、頭の柔らかさのこと。

そして、今の日本の教育の最大の問題点は、正解主義授業つまり情報処理力偏重になっていることであると指摘します。

情報編集力を高めるために藤原さんは、3−4人での小さなブレストを随所に取り入れたり、発言を求める際にも「正解わかる人手を挙げて」ではなく「みんなでせーので発言しよう」とワイドに構えるというような工夫をされているそうです。

ただし、情報処理力を決して軽視しているわけではない点は注意が必要。情報処理力が不要なわけではなく、情報処理力:情報編集力を現状の9:1から7:3くらいへシフトするのが良いバランスなのではと語りました。

(2)情報編集力アップの練習

続いて情報編集力アップの実践編。この日は近くの座席の方と、初対面時に一気に距離を縮める2つのトレーニング。一つはキャッチフレーズ(つかみ)型、そしてもう一つはQA型という手法です。

①キャッチフレーズ(つかみ)型

・「顔が有名人に似てる」という特徴を持っている人は大チャンス。大いに活用すべし
・顔が使えないなら、次に考えるのは名前をうまく使うこと→例えば「静子」という名前の人だったら、「こんなうるさいけど静子です」など
・顔も名前も使えないなら、エンターテインメントと割り切ってストーリーをつけて面白くすることを意識する
・相手に情報を処理させるのではなく、考えさせる(編集させる)ことが肝要

有名人にも似ておらず、名前にも取り立てて特徴のない私は、「日本ビールかけ協会の小林健介です。プロ野球選手よりもビールかけをやっています」というストーリーで話してみたところまずまずの反応が。なるほど、このような掴みをいくつか作っておけばいろんなシーンで使えそうです。

それにしても冒頭のさだまさしが、このための伏線だったとは。考え抜かれたプレゼンテーションはさすがの一言。こんなところも勉強になります。

②QA型 

・お互いにQAしながら共通点を探っていく
・共通点は、「どこどこの野球チームが好き」くらいだと弱い。「どこどこの野球チームの誰々の熱烈ファン」というくらいの共通点を探したい
・2分あれば、だいたいの人は、”おぉっとなる”共通点が1つ以上は見つかるもの

実際に会場でも、8割方は共通点が一つ以上、さらに1−2割の方が2つ以上の共通点が見つかった模様。また、共通点探しに有効な手法として、マイナスモードの共通点という話がありました。

他人の自慢話はつまらないもの。過去の病気や失敗談、それらのマイナスなエピソードをポジティブに語れるようになっておくと、相手との距離をぐっと縮めることに役立ちそうです。

(3)キャリアの大三角形で百万分の1の希少性

堀江貴文さんの『多動力』、西野亮廣さんの『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』でもおなじみになりつつある100万分の1理論ですが、藤原和博さんこそがこの理論の提唱者。「3つの分野で100人に一人の人材になれば、掛け算で100万人に一人の人材になれる」という考え方ですが、この講演の中ではその3つの分野の選択について語られました。

1つの分野を習得するのに必要な時間は1万時間。1日3時間なら10年、6時間なら5年という長さです。私はこれを「今が何歳であろうとも、本気で取り組めば三角形を築くのに遅すぎるということはない」というメッセージとして受け取りました。

また、3歩目を踏み出す勇気については「不利な勝負ほど、応援してくれる人が増えるから成功しやすい」という逆説的な考え方を示し、この考え方に対して多くの共感のツイートが見られました。

(4)「信用」とは何か?

「信用とは、他者から与えられる信任の総量である」という話からこのテーマはスタートします。

今が、貯金より貯信の時代であるのならば、次の疑問は「今の自分の信用スコアはいかほどか」になります。今の自分にいったいどれほどの信用が貯まっているのか、それを測るためには、著書『45歳の教科書 戦略的「モードチェンジ」のすすめ』にも付属している信用度チェックシートが役立ちます。

チェックシートは基礎編、金融編、応用編の3つから成りますが、なんともおもしろいのは応用編。その中には、体力、学歴、資格の有無、顔、記憶力などわかりやすいもの以外に次のようなものも含まれます。

・犬を飼って世話をしている 
・苦労した体験を語れる
・自分の名前の由来を語れる

ワンコを飼って育てている私は、知らず知らず1ポイントゲット。「飼っててよかったマイワンコ」です。
下2つは、情報編集力アップのトレーニングでも出てきたように、情報編集力のリテラシーです。つまり、情報編集力を高めることは信用度を高めることであるとも言えそうです。

まとめ

巧みな話術と、練りに練られたプレゼンテーションであっという間の2時間。3歩目の飛躍のために「別々の山を、それぞれの高さを目指して、息もつかずに登っていく」必要性を痛感した講演でした。

私の場合は45歳まであと10年。がんばらねば。

ここではまとめきれなかった詳しい内容については、ぜひアーカイブ動画をご覧ください👇

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※本記事は、2018年5月31日(木)に開催されたNewsPicksアカデミアイベント 藤原和博「45歳の教科書:実践編」をまとめなおしたものです。

文:小林 健介

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