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21 終わりに - 来年またスペイン巡礼できるだろうか?

おわりに

1ヶ月ほど前に17年前にやったスペイン巡礼のことを思い出した。最近はどうなっているのかと日本人巡礼者が最近書き残したブログを何点か読んでみた。読み進めるうちに、自分の巡礼を思い起こして次の巡礼の準備につなげようと思った。

それがこの巡礼記を書くきっかけだった。

実際に書き進めてみると、旅の景色、食べたもの、向こうであった巡礼者と交わした会話など多くのことが記憶から失われていた。それでも、残った記憶を紡ぎ合わせながらここまで書き進んできた。

最近の日本の巡礼者のブログが、旅行記としては微に入り細に入りだったので、それでもスペイン巡礼のイメージはかなり鮮明になった。ありがたいことだ。

今の興味は来年の春ごろ再びスペインに巡礼に行けるだろうかということである。

ただ、危惧する点が何点かある。

① 一番大きいのはウクライナ紛争が終わらないどころか、エスカレートする方向にあること。一昨日、ロシア軍はウクライナ各地を空爆してさまざまな社会インフラを破壊し、ウクライナ社会は機能麻痺に陥っている。ウクライナの中立化、非ナチ化が達成されるまでこの紛争(実際にはすでに戦争)は終わらないだろう

② 円安が更新していること。今日で1ユーロ=142円。底値は2020年初めの1ユーロ=115円だった。このまま円安が進むとスペイン旅行費用はかなり膨らむだろう。例えば航空燃料費が暴騰していてエアチケットだけでも相当の値段になっている

③ ヨーロッパ諸国はロシア制裁のブーメランでエネルギー不足が起こり、連鎖するようにさまざまな物の値段が高騰。電気やガスの使用制限がかかりつつある。来年にはもしかしたらヨーロッパはものすごい不況と混乱に陥っている可能性もありそう

④ 欧米支配者たちはロシアを打ちのめすまでウクライナの支援を継続して例え一人のウクライナ人になっても戦争をやめる気はさらさらないという。戦場はウクライナで、戦うのはウクライナ人。自分たちが出すのは国民の税金を使って、武器、金、口だけ

こんなありさま💦

もう、何がどう転ぶかわからない今、エアチケットなんて怖くて直前まで買えないし、その頃までにできることと言えば、トレッキングシューズやポール(杖)を買って、土日に10キログラムぐらいのバックパックを背負って少し長距離を歩く練習ぐらいだろう。

もし来年春、奇跡的に事態が好転して、スペイン行きが可能であるならば、フランスのパリに入国。電車でパリからスペイン国境近くまで移動し、スペインのイルンからスペイン最北のルートを歩きたいと考えはじめている(以下の図を参照のこと)。ある人のブログでは40日弱、800キロ強の道のりである。アップダウンのある小山が多く、巡礼者も少なく、アルベルゲも少なく、6月ごろは雨も多く、ぼくが4月5月に歩いたうららかなカミーノ・フランシスとは雲泥の、徒歩移動の大変さを予感させる。

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この数日、筆を休めてこの巡礼記がさらにどのような展開を見せるか様子を見ていたが、主要な点についてはもう書き尽くした感があり、このあたりでひとまず筆を置きたい。

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

この巡礼のあと、たぶん2008年ごろ、世界遺産にもなっている熊野古道を高野山から歩きはじめ熊野本宮まで行き、熊野三山を巡って、熊野本宮まで戻り、そこから中辺路の神域はずれまで歩きました。その話を項をあらためていずれ書こうと思います。あっちは巡礼スタンプもなく、途中、巡礼者なんていなくて誰にも会わなかったし、写真もメモもとっていない。果たして思い出せるだろうか💦