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半導体はおろか、樹脂部品すらも…

この話題が、日本の半導体製造能力の凋落を象徴するニュースとして持ちきりである。

半導体のニュースが派手なので取り上げられがちだが、もっとベーシックな樹脂部品の生産すら国内でままならなくなっている。

信じられないかもしれない。電子部品のコネクタとかスイッチとかブレーカとかの樹脂部品を東南アジアにお任せだったのがコロナで生産停止したら、日本国内で代替生産ができなくなっているのだ。

日本は半導体はおろか、射出成型品ですら大量生産する能力を失っている。この国の礎は特にこの10年でボロボロに朽ち果てている。半導体製造装置はおろか、射出成形機すらまともに使いこなせなくなっているのだ。

日本の製造業がこの格好の商機に半導体を製造できないのは、高度なノウハウが消失したからと言うよりは、もっと基礎的な問題が背景にある。コネクタとかスイッチとかブレーカーとか電子部品がないから半導体を製造するための装置がつくれないわけなのだ。

職人も激減しているし、仕様書を書ける人もいないし、私たちはリーマンショック後のこの十年で国の礎を破壊してきたのだなと慨嘆するばかりだ。

半導体は繁閑の山谷が極端で投資が難しい分野として投資が手控えられていたが、退嬰的な態度が極まるとここまで製造能力が落ちぶれるのかと、このコロナ禍で痛感している。

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