四角い頭をやすりで削るには

自分はもっと出来るはずだ!!!と信じて創作を始めるも、1時間もたたないうちにいつもの手癖に落ち着いてしまう。

僕は職業作曲家的な、クライアントがいてだいたいのイメージが共有できる音楽を作るほうが断然得意であるが、本当に作りたいものは聴くたびに発見のある音楽だ。なので自分で作るものが想像できてる時点で全くつまらない。完成した時に「なんだこれ?」って曲が作りたい。

手癖ってのは本当に恐ろしいというか、忘れるのが難しく、意識的に外すことも難儀だ。得意なことを得意げにやることは仕事としては素晴らしいことだけど、得意なことに新鮮味はない。

ここ数年たくさん仕事をしてきて、曲の作り方を忘れてしまった。いや、自分が面白いと思う曲、の作り方。違うな、忘れたわけじゃなくて作り方がわからない状態のまま作るのが面白かったのに、なにか既存のケースに入れてしまう嫌な癖がついてしまった。

まず枠を外してみるか。文章を書いてと言われたら、僕は原稿用紙を用意してマス目から一文字もはみ出さないで書き続けてしまう性格だ。大きい文字、向きが逆の文字、文字ではない何か、自由に書いてよいと言われても何を書いていいかわからない。紙を切って文字にしてもいいかもしれない。規定の枠、音楽だとテンポやコード、小節、楽器編成。この前ピアノ練習の配信中、猫のケンカの音声にエレピを重ねてみたが、なかなか味わい深いものだった。音楽的には破綻しているものの、普段やらないだろうアプローチが自分から出てきたことに驚きがあった。仕事ではない創作に効率を考えてはならない。わからない何かを掴む作業が創作だ。

もっと自分は出来るはずなのだが(これは確実なのだ)、この日記を書いて満足したら、また始めからだ。とりあえずフランクザッパを聴いてみる。


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