ウェブ担当者のためのサイト集客マップ 株式会社アクシス平岡謙一さん ウェブ解析士会議2019速攻レビュー
ウェブ解析士会議2019で講演された株式会社アクシス平岡謙一さんのお話を書き起こしました。「ウェブ担当者のためのサイト集客マップ」というタイトルです。
A4用紙1枚作るだけで、案件がドライブするようになったんです。ほぼ全てのお客さんでです。25分のお時間の中で、「月曜日に会社に戻ったら、関連する人と一緒にこのマップ作ってみよう。次のお客さんとのミーティングで集客マップを作ってみよう」となってくれたら嬉しいです。
今日は岐阜から来ました。DMM、TBS、ANA、デロイトトーマツなど様々な企業を担当させてもらっています。全ての会社でこのマップを使ったらドライブしたんですね。では、今日紹介したい事例がこちらです。
Sadaharu Aokiさん。
世界No.1のパティスリー。フランスを代表するショコラティエなんです。TBSアナウンサーの雨宮さんの元旦那さんです。非常に著名な方なんですね。フランスの代表の方を打ち破って、日本人と優勝したんです。
この方のサイト作りや集客をしているので、その事例を元にお話しますね。
マーケティングを行う上での課題
一度はこんなこと言われたことないですか?
- SNSの効果を実感できないんです。
- 獲得単価が悪いところは止めてください。(え。指名キーワード以外止めることになっちゃいますけど・・・)
- ブログネタが尽きました・・・
- 何から手をつけたらいいかわかりません。
この原因は1つなんです。
施策の全体像が見えないとマーケティングは進まないんです。では、全体像とは?
まずは以下の3つを抑えましょう。
知らない層 :認知促進
知っている層:連想強化
ファンの層 :関係強化
実はこの3つを抑えるのがマーケティングで一番大事なんですね。これはB2BでもB2Cでも同じですよね。重要なのは、施策の全体像を関係者全員で共有することです。そうでないとどうしても部分最適化になってしまうんですね。ではどうすればいいか。シンプルな手書きのマップを一緒に作るんです。これにかかる時間は2時間くらいです。これを上司に見せてもらう。それだけで案件がドライブするんですね。
全体像がわかる集客マップ
知らない・知っている・ファンの3つに分けるんですね。これを全員で共有するんです。
マップの作成事例
それぞれの層に対して、入り口と出口を設計していきます。
入り口:アプローチ方法
出口 :達成して欲しいゴールへ誘導
知らない層へのアプローチはどうするべきでしょうか?
入り口設計
・スイーツ関連のInstagram
・お菓子や料理など興味関心にもとづくバナー広告
・スイーツ購入を検討しているタイミングでの検索連動型広告
(父の日 プレゼント、バレンタイン お返しなど)
この時は「ブランド訴求サイト」に誘導した方がいいでしょう。よくあるのは、いきなりECに移動させることですね。これは非常に良くないんです。知らないのにいきなり売るのはダメ。なぜこのチョコは高いのか、温度調整を厳密にやっているから高いんですよ、みたいなことをきっちり伝えるんです。
知ったあとに達成して欲しいゴール
<出口設計>
・EC購入ページに流れていく
・Facebookページいいね・Instagramフォロー
・アオキサダハルという指名検索をして戻ってくる
認知が促進できているかどうかの評価指標
入り口KPI
・非商標での流入数
・流入後の滞在時間
出口KPI
・ECへの送客
・指名キーワードの検索数
知っている層へのアプローチ
<入り口設計>
・アオキさんをすでに知っている人からの流入
<出口設計>
・商品の注文完了
・メルマガ/LINEへの登録
・Facebookいいね、Instagramフォロー
一番嬉しいのは注文して離脱することです。ですが、ソーシャルフォロー、ブログブックマーク、メルマガなど他のマイクロコンバージョンもありますよね。
<入り口KPI>
・指名検索の増加
・流入後の商品購入率
<出口KPI>
・ソーシャルフォロー率
ファン層へのアプローチ
<入り口設計>
・アオキさん個人のソーシャルアカウント
・メール/LINEなどへのキャンペーン情報の送付
・ブログでの新商品の紹介記事
ここは個人のSNSなんです。日々どんなご飯を食べてどんなことをしているかっていう日常のところですね。
では、どんなゴールを期待するか。
<ゴール設計>
・ソーシャルなどでのシェア
・店舗のほうにも足を運ぶ
・催事・お菓子教室への参加
では、KPIです。
<入り口KPI>
・メルマガ流入数
・ブログからの流入数
・ソーシャル流入数
<出口KPI>
・ソーシャル言及率
・リピート率
こんな風に考えていくんですね。各段階にあわせてアプローチ方法と達成したいゴールを定義していきます。こうするとこんなことができます。
1)該当ユーザー層の特徴をまとめる
2)接触方法を想像し、流入経路を構築
3)目的にあったメディア誘導
4)出口設計し、理想のゴールへ
5)集客マップ化
こうやっていくと、SNSはアオキさんの認知促進に寄与するようになったんです。
例えば、獲得率が低かった「フランス お菓子」などは認知促進のためなので、「滞在時間」で評価するようになりした。ここは認知を獲得するのが目的ですからね。
こんな風に全ての施策が腹落ちしたことで、全体をみた上で部分最適化から脱出して有機的につながるようになったんです。どうでしょう。一度、集客マップをクライアントと一緒に作ってみては?