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北欧クリエイティブスクールの2つめのモジュールdone

スウェーデンのクリエイティブスクール、Hyper Islandの全6つのなかの2つ目のモジュールが終了しました。

(いままでのnoteは下記にまとまっています)

一連のモジュールは

  • Humans or Customers

  • Intelligent Machines

  • Business Transformation and Innovation

  • Agile Making and Prototyping

  • Future Scenarios

  • Leading Teams

という6つで編成されており、今回は『Intelligent Machines』です。まあその名の通り、最先端テクノロジー!的なやつです(雑)
このモジュールは去年までのプログラムでも存在していましたが、おそらく1年前のクラスとは濃さが大きく違ったと思います。
というのも1年前のクラスが行われていた時期は、ChatGPTが出るか出ないかのとき。今年は、生成AIにかなりフォーカスした内容になっていました。

前回のモジュールに引き続き、今回もDistinctionのスコアをいただきました。なんか2連続で取れてしまうと、全てのモジュールでDistinctionを狙いたくなる気持ちが出てくる。(実は真面目にやれば簡単なのでは、という気すらしてきている)
ちなみにDistinctionとは

イギリスの大学院では日本の一般的な大学とは違いGPAという指標で成績評価が行われていないです。代わりに一番上の成績からDistinction(最優秀)、Merit(優秀)、Pass(合格)、Fail(不合格)の4段階で評価が行われています。Distinction(最優秀)では70%以上、Merit(優秀)は60%以上、Pass(合格)は50%以上、Fail(不合格)は40%以下の成績に付けられます。

マンチェスター大学院のMSc Digital DevelopmentをDistinctionで卒業するための戦略(入学前)

ということです。Hyper Island自体はスウェーデンのビジネススクールですが、修士号のプログラムとして連携しているのはイギリスの大学院なため、課題を提出するのもその大学院で、評価もイギリス式で行われます。

このタイミングでこの学びができたのは大きい

端的にこれはラッキーとしかいいようがないのですが、生成AIが盛り上がっているこのタイミングでHyper Islandのこのコースを受けられて本当によかったなと思っています。
講師の方々も気合いが入っており、自分たちが持っている情報をなるべくシェアするようにしてくれましたし、生徒間でもいろいろな情報交換ができました。
半分ぐらいの受講生が生成AIを使ったことがないメンバーだったように思いますが、モジュールが終わったあとはみんな日常的に使いこなすほど、触りまくっていました。

モジュールの間にも多くの新しいサービスが日々出現し、誰かが使ってはレビューをあげる、みたいな状態はエキサイティングでした。

単純に使って「すげええええ」ってだけではなく、しっかりと批判的に捉える機会を得られたのもいいところ。
日本とヨーロッパでのセキュリティ(主に個人情報)に対する感度の違いも感じられて、個人的にも面白かったです。

エッセイを書くために論文も30枚ぐらいは読んだので、専門的な観点の知見も得られたのは大きい。

モチベ高グループは土曜もミーティングが入る

Hyper Islandのほとんどのモジュールはグループワークで進んでいくのですが、2つ目のモジュールのグループはWay Weekでも仲良かった人たちが多くて、最初にグループが決まったとき「うおおーーー俺ら最強じゃん!」みたいな雰囲気が流れました笑

前回のモジュールのグループでは、途中でちょっとしたいざこざもありましたが、今回は終始楽しく和気藹々と行うことができました。メンバーも全員モチベーションが高く、毎週土曜日に3時間のディスカッションと水曜日に1時間のディスカッションが固定で組まれていたぐらい。
前のグループは週1時間も平均的にとれていなかったので、急に忙しくなった感覚は正直あります。

それだけでなく、各自のおすすめの書籍やYoutubeや記事など、Slackでバンバンシェアするような文化だったので、自分のモチベーションアップにも繋がりました。みんなありがとう。

ということで、モジュール中の忙しさは単純にグループメンバーのやる気とスケジュールによるというシンプルな結果になってそうです。

クライアントはスウェーデンの車の会社

Hyper Islandのほとんどのモジュールで僕らは、実際のクライアントの課題を解くことになります。今回はスウェーデンの車の会社がクライアントでした(こう書くと、もはや名前だしていいんじゃないかレベルですが。知っている会社の案件をやれるのは楽しい)

バングラディッシュの首都であるダッカで、2050年でもその会社が存在を発揮するために、生成AIを活用したソリューションを提案してね? というようなスーパー抽象度が高いお題でしたが、それだけ自由度が高いということでもあります。

その会社の歴史やミッション、車業界での立ち位置や、ダッカの現状の問題や、2050年に向けての人口の推移、テクノロジーの進化などなどの情報を集めながら、でてきたアイデアをひとつにしていく作業は、なかなかに時間がかかるものでもあり、一方で楽しい時間でもありました。

結果的には多くのグループの提案の内容は、単純な車の進化系、ではなく車の隣接領域の違う分野でのソリューションの提案になっていた気がします。

ちなみに僕らのグループは、古い車を自動的に修理できる工場を提案しました。新しい車を作るよりも、他社の車であっても長く使えるようにした方がサステナブルだよね、ってことで・・・。

モジュールの学び

好奇心を持っている人は強い

モジュール前は全くの知識がなかったのにもかかわらず、ChatGPTやMidjourneyはもちろん、その他のAIツールに関してもバリバリ使うようになったようなメンバーもいて、やっぱり好奇心がある人はいま何やっても強いなと思い知らされました。
特に「作りたいものがある」人にとって、とりあえず試してみるのハードルが著しく低くなってきている今、ちょっとしたきっかけで大きく才能が飛躍しやすいんだろうなという感覚があります。

目的としてのテクノロジー、手段としてのテクノロジー

今回は生成AIがお題ではあったので、多くのグループがグループワークのプロセスのなかに、生成AIを組み込もうとしていました。僕らのグループも例外ではなく、

  • アイディエーション

  • プレゼンの流れ

  • 画像や短い動画

  • スクリプト

  • ナレーションの音声

  • ナレーション音声に合わせたリップシンク動画

  • BGMの作成

などなど、とにかく使えるところには全部つかってしまおうという勢いで臨みました(発表は7分の動画だったので、ナレーションなどが使えた)
よくよく考えると、これは目的と手段が反対になってしまっていて、AIを使うのが目的になってしまっています。これはテクノロジー活用の失敗パターンにもなり得ますが、今回はそのキテレツなプロセスのおかげで普段は考えないようなアウトプットが生まれたのも事実でした。
パルプンテ(つたわらないかも、ごめん)として使っていくのも面白い活用の方法だな、と感じました。とりあえず、新しいものはどんどん使いましょう。

誰かになりきって批判をする、ことで生まれる新しい視点

モジュールの中盤では、各メンバーに役が与えられ「あなたはネルソンマンデラです。この提案に使われているテクノロジーが、世界を平和に導くか批判的にジャッジしてください」といった感じのロールプレイ?が行われました。あるメンバーはセキュリティを批判的に捉え、あるメンバーはビジネスのスケーラビリティを考えます。

これは純粋に面白い体験でした。普通のサービスデザインやワークショップでも使えそう。
強制的に誰かになりきってサービスを考えることは、いつもでてこないようなアイデアを創出できる。そんな可能性を感じました。


早くも2つ目のモジュールが終わってしまったことにびっくりしながらも、最初の授業のときのようなちょっとしたドキドキがなくなってきているのも事実。
残りのモジュールも、しっかりと学びながら走り抜けるぞ・・・


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