温かい人、冷たい人という印象は何で決まる？

前回の記事では身体を温めることによる、心理的な変化から、どうしたら深部温度が下がるのか
ということを書いていきましたが

今回は「温かい人、冷たい人」という比喩的表現のイメージについて

また物理的な温かさや冷たさと、比喩的表現の温かい人、冷たい人となんらかの関連性があるのかについて
書いていきます。

温かい人、冷たい人

温かい人、冷たい人という表現がありますが
これは比喩的な表現であり、実際に体温が高いか否か、という話ではないですよね。

では温かい人、冷たい人とはどういう人のことを指すのでしょうか？

それを知るために、ニューヨークでとある実験が行われました。

１つのグループには

【知的・器用・勤勉・冷たい・頑固・実務的・慎重】

という言葉を伝え、もう１つのグループには

【冷たい】を【温かい】に変えて伝え、

その架空の人物の印象を、端的に伝えてもらうというものでした。

【冷たい】がリストに入っているグループでは

「非常に野心的で、才能にあふれた人物で、誰にも、何にも目標達成の邪魔はさせない。自分のやり方を押し通そうとする。何があろうと断固として譲らない」

一方【温かい】グループでは

「あることを正しいと信じ、他の人にその主張を理解してもらおうとする。誠実に議論をし、自分の主張を通そうとする」

という意見が多かったそうです。

また、この実験では

冷たい人とは
【狭量・非社交的・無慈悲】

温かい人とは
【寛大・社交的・人間的】

であると評価されることが多いことが分かりました。

温かいというのは、人類の進化の歴史からしても、安全、信頼、そして脅威の不在と関連づけられるものであり、母親に触れられる経験が大きな要因になるようです。

温かいコーヒーと冷たいコーヒー

ここでまた面白い疑問を持ち、次の実験が行われました。

その疑問とは

比喩的な温かい人や、冷たい人という言葉の通り、物理的な温かさや、冷たさは関連するのだろうか？

というもので、

実験とは、エレベーターの中で、少しの時間温かいコーヒーあるいは、冷たいコーヒーを持っていてもらいます。
そのあと「ある人物のことを書いた文章」を読んでもらい、人格を描写してもらう」

というものです。

結果は…

温かいコーヒーを手に取った被験者は、冷たいコーヒーを手にとった被験者よりも架空の人物を
温かい人【寛大・社交的・人間的】
と判断したそうです。

これは短時間、皮膚に身体的な温かさを感じた経験が、実際に対人的な温かさの印象を思い出させたということです。

そんな短時間で、印象が変わるなんてびっくりですよね！

体が冷えると、心を温める

また別の実験では

実験参加者にアイスティーまたは、ホットティーを飲んでもらい、
【恋愛映画、アクション映画、ホラー映画、コメディ映画】
の中から好きなものを選んでもらうというものでした。

結果としては、
アイスティーを飲んで、体が冷えた参加者は、ホットティーを選んだ参加者よりも恋愛映画を好むことが分かったそうです。

また同じように
寒い部屋と、温かい部屋で同じ実験をしても、寒い部屋の人が、恋愛映画を選ぶ傾向にあったそうです。

身体が冷えると、ほっこりする恋愛映画を観て心を温めたくなるものなんですね☺️

なぜ身体と心の温かさはリンクするのか？

なぜこのようなことが起こるのでしょうか？

その理由は脳の「島皮質」と「線条体」が身体的な温かさと、心の温かさ両方に関与しているからです。

つまり身体的な温かさを感じ、「島皮質」と「線条体」が興奮すると、他者に対しても温かい気持ちが高まるということです。

セロトニン細胞の関係

そして、ここでも忘れてはいけないのがセロトニンです。

ネズミの実験ではありますが、39度〜40度の部屋に入れて全身を温めると、セロトニン神経の活動がかなり高まることが分かっています。

また、恋愛映画を観たときにも、セロトニンが分泌されると言われており、心が温まるときにもセロトニン神経の活動が高まると考えられています。

まとめ

つまりどういうことかというと
人間は島皮質、線条体、またセロトニンの分泌によって、相手の印象を判断しているということ

また、体が冷えて、セロトニン細胞が不活性になると、活性化させるために恋愛映画を選び、セロトニンの放出を促そうとする
ということです。

前の記事に書きましたが、ストレスにさらされるとこで、人は体の表面が冷えてしまいます。

ストレスを軽減するためにはしっかりと身体を整え、無駄な緊張をとることでリラックスでき
体温が上がってきます✨

また、身体を温めるだけでも、ストレスの軽減もできますし、相手の印象も変われば、自分の行動も変わります！

是非身体を温めて、温かい人間関係を築いていきましょう✨