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右手にオレンジ

夕日を見るとオレンジを思い出す
思い出す風景には決まって

川辺の道に私はいて
手ぶらで気ままに歩いている

目の前には大きなオレンジの夕陽
夕陽に向かって歩いている

建物も水面もオレンジ色で
寒いのか暑いのかよくわからないまま歩いている

どこまで行くのだっけ
はて忘れてしまったけれど歩いている

そうだそうだと思い出し
道を左折し川の流れは真後ろ

そして右手にオレンジが乗っかる
前を見ると街の陰影が進む先を閉ざすようだ

ふと気づくと足が止まっていた

手のひらにはもうオレンジは居ない
手のひらに吸い込まれてしまったのか

私の体の中で栄養になったのか
暖かな温もりに変わったのか

それは良いものだったか
不機嫌なものだったか

簡単だったか
難しかったか

大好きだったのかな
苦しかったのかな

話し足りなかったかもしれない
見つめ足りなかったかもしれない

横顔がオレンジに照らされて
眩しくなって体温に気づく

まだ
オレンジ色の街並みを
再び私は歩き出す

よろしければサポートよろしくお願いいたします❣ たくさん歌いたい、表現したいと思います。ありがとうございます💕