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私のために書く

改めて文章を書くことで、それを自己表現と生きていくための力にしようと考えました。
今までは音楽を演奏することが生きていく力だったけれど、それだけで生きていくのは少しむずかしい。
もうひとつ、私を表現する方法を見つけたい、と考えたのでした。

とにかく文字をつづることで、何かを得られたらいいな、と考える今日この頃。
音楽は音にした瞬間に、空間の中に消えてしまうけれど、言葉は綴ったその
時から、空間に生き続ける。
消えていく音は、そのままでも美しいけれど、いつも見えない何かに追い立てられるような気持ちになり、深い絶望を感じる。
言葉は書き起こした時から、刻印のようにその空間にとどまり、忘れ去っても、ある瞬間によみがえる。
この対局がつくづくおもしろい、と思うのです。

自分がこの世界のどこにいるかを確認するために、書きたいと考えるようになったのかもしれない。
年を取れば取るほど、自分が不安定で未来が見えなくて、何を追いかけているのかもわからなくなる。
知恵だけはついてくるから、毎日を何事もなく生きていくだけでも、日々を使い果たすことも可能。
このまま何も考えずに、年老いていくならばたぶんそれも幸せなんだろうけれど、私はそんな日々を送るのはいやなのです。

音を追いかけてそれが消える前に、言葉になって戻って来ればいいのに。

私が今までに発した音は、どれほどの言葉になるのだろう。

私のために発した音は、今までにどれだけ存在したのだろう。

今度こそ、自分のために残すものを作る。

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