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因縁の対決

今朝、洗濯物を干していたら、小さくて黄色い何かが舞い上がっていくのが見えた。
よく見てみると、それはモンキチョウだった。
モンキチョウを見るのなんて、何年ぶりだろうか。
小学生のとき以来かもしれないなと思うのと同時に、春は終わりを告げずに行ってしまったのだとも思った。

昨夜も徹夜をしてしまったので、ぼんやりした頭で、何もない空間を見つめて、何の意味もない事を考えていたら、なんだかダメな人間になりそうな気がしたので、散歩に出かけることにした。

玄関を開けたら、あまりの眩しさに思わず目を瞑って、家の中に引っ込んだ。
今のでやる気が8割ほど削がれたが、もう出かける準備をしてしまったので、背に腹はかえられぬと勇んで玄関を開けた。

外はとってもいい天気。
だが、不健康な体には少々過激だったようで、光が目に沁みて涙が滲んできたので、目の上に手でひさしを作りながら歩いた。
雲のない空を見上げて、今晩は星がよく見えそうだなぁと思った。


数日前に教えてもらったのだけど、5月6日の明け方には極大の水瓶座流星群が見られるそうなので、ちょっとだけ楽しみにしているのだ。

星とは少々、因縁がある。
なぜか昔から、星を見ようと意気込むと天気が崩れることが多く、私が眠気に負けて見られなかった時は、毎回満天の星空が見られたのだそうだ。

トドメを指さされたのは、2年ほど前。
長野県の白駒池の山小屋に宿泊していた。
ボートに乗せてもらい、湖上から星が見られるという素敵なツアーに申し込んでいたからだ。

宿泊する2ヶ月ほど前から、長野の天気を気にするほど楽しみにしていた。
前日までの天気予報でも快晴になっていて、これはいけるぞと思っていた。

しかし、当日。
日暮からだんだん雲行きが怪しくなり、夕食後には雨が降ってきて、雷も落ちて、外にも出られないという散々な目にあった。
翌朝には気持ちのいい快晴になったのも、解せなかった。

それからしばらくは、星を観るということに関心を向けないようにしていたのだけど、1年半ほど前に遠出して温泉に行っていて、露天風呂で空を見上げていたら、ちょうど流星群が流れてきて、見つけた瞬間は嬉しかったのだけど、なんだかムッとしてしまったのだった。

自然のことだから、人間がコントロールできるわけでもないし、しょうがないことなのだけど、意地悪されている気分にもなるものだ。


流星群は今朝も見られるそうなので、あと3時間ほど。

全然、楽しみになんてしてないよ。
してないからね。

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