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誰にでもある普通の日々は

今日は仕事帰りに、銀座のギャラリーへ行って来た。

奥野ビルという東京で(恐らく…?)1番古いエレベーターがある建物。
扉が手動で、自分で開け閉めするタイプのもので、落っこちたら怖いので、1回も乗ったことはない。

その奥野ビルで個展を開催している方のnoteを見て、実物が見たくなった。

平面と立体の制作物を展示していて、立体はダイナミックなのに繊細で柔らかくてしなやか。平面は立体をそのまま平面の世界に置き換えたような作品だった。
とても美しくて、どうやってこのカタチが生まれてくるのかとか、聞きたいことはたくさんあったのだけれど、お知り合いの方と談笑されていたので、居た堪れず退出してしまった。

うう、私のいくじなし。

他の階にもギャラリーがあったので、幾つか回った。

嬉しかった。

その一瞬を丁寧に切り取って、熱心に写しとっている人たちの存在が。

作るのって孤独だ。

自分の世界がどんどん広がっていくのに従って、自分を覆っている世界は圧縮されて隔絶されて、気がついたら周りに誰もいないなんてことになっていそうだから。


そのあと別の展覧会も見に行って、そこでちょっとだけお話しできて救われた。

引っ込み思案はまだまだ治らなさそう…

それからItoyaという訪日外国人御用達の高級画材屋に行って、無くなった分の絵の具を購入して帰ってきた。

昨日の疲労も全然回復してなくて、今日もたくさん歩いて、ネガティブモンスターモードになっていた。

ウジウジ。ジメジメ。


そういえば、今期の月9ドラマ『君が心をくれたから』を見ている。

大さっぱに書くと、太陽くんという大切な人の命を救うために、自分の五感を差し出す覚悟を背負ったヒロインの雨ちゃんが、色んな感覚を失っていきつつも、心は少しずつ豊かになっていくお話。

ファンタジーラブストーリーらしいので、ツッコミたくなる展開はありつつ、不器用なふたりが焦ったくていじらしい。

ふたりが幸せになれる未来が来ないのがわかっているから、一瞬一瞬がかけがえのない時間で、切なくて、もう涙がドボドボ止まらない。


もし愛する人の命の火が消えかかっていて、自分の五感を引き換えに助けられるのだとしたら、躊躇いもなく差し出せるのだろうか。

いまの私にはそこまでして現世に縫い留めておきたい人はいないし、死ぬということが必ずしも不幸なことだとは思わない。
生きていてほしいと思うのは私のエゴだから、引き換えない。

愛する人ができたらそういうふうに、思うようになるのかな。