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ミスドのポン・デ・リングと、長く愛されるということ。

ミスドの白いポン・デ・リング。
買ってきてほしいと熱心に頼まれて、わざわざ途中下車をしました。
ポン・デ・リング発売20周年を記念した期間限定の商品らしいのですが、そう来たか、と思いました。ポン・デ・リングらしさを残しつつ、全く別のスイーツのような新しさもあります。

子どもの頃、ミスドは唯一のドーナツチェーンでした。他のドーナツチェーンやコンビニの参入もあって低迷していた業績は、現在大きく回復。2020年には50周年を迎えています。

お菓子の老舗ブランドは本当にすごいなと思います——。先日、行列のできる人気洋菓子店を運営している企業の方から、そう言われました。ブームになってもすぐに消費者は飽きてしまうし、飽きたら別の商品を出していけば良いというものでもない。
確かに50年どころか何十年、何百年と続く菓子店、菓子ブランドが日本にもたくさんあり、きっとさまざまな変遷を経て今に至っているのでしょう。

ふと思い出したのは、村上春樹の『ノルウェイの森』に出てくる登場人物のセリフです。
「現代文学を信用しないわけじゃないよ。ただ俺は時の洗礼を受けてないものを読んで貴重な時間を無駄に費やしたくないんだ」

私は古典も現代文学も読むし、このセリフ自体はコントラバーシャルだと思っていますが、時の洗礼を受けている(=長く愛されている)だけで簡単に続くものではないでしょう。

変えないものと、変えていくもの。企業がパーパスを追求することは、それを常に問い続けることでもあるのでは、とこのごろ思っています。
(2023.6.29)


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