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子どもに見せたいYouTubeナンバーワン?「学校で教えないSDGs」の中身

「美容院、予約してほしい。切った髪を持って帰りたいから袋も持って行く」

美容院嫌いの小学生から唐突に言われて驚きました。ヘアドネーションには長さが足りないよ、そもそも何のために?と問いただすと、「髪の毛で海がきれいになるってトムさんが言ってるから」。

それが私がトムさんを知ったきっかけでした。トムさんとは、社会を知る動画メディア「RICE MEDIA」を運営する廣瀬智之さん。YouTube、TikTok、インスタグラムで配信し、総フォロワーは45万人を超えています。「1カ月プラなし生活」「パンプス履いてみた」など、実践をもとにした動画が人気です。

冒頭の髪の毛は、「髪の毛が"海の汚染"を解決してるらしい」という動画がきっかけでした。この動画によれば、タンカーの沈没などにより海に流出した油を髪の毛が吸収するということ。この活動をする団体に髪の毛を寄付すれば、個人でも海洋汚染の解決に貢献できる。たった1分の動画でそれが子どもにも伝わっていました。

いま小学校でのSDGs教育はもはや特別なものではなく、かつての道徳や国語のように日常授業に組み込まれています。17の目標に合わせた川柳をつくったり、調べ学習で近所のスーパーに行ってSDGsの取り組みをまとめたり。そのおかげか、子どもがふとした場面で「ママ、女性のお給料は男性より安いんだよ」と言い出すなど子どもたちに変化も起きています。

トムさんの動画は学校の授業のように堅苦しくなく、息を吸うようにサステナビリティに立脚したメッセージを送り続けます。何よりも彼自身が楽しそうなのが一番の魅力。それこそが人を動かす源泉になっているのでしょう。
もともと報道写真家を志していたトムさんは、現在の活動に一直線でたどり着いたわけではないと言います。人気YouTuberであるがゆえの悩みも。やっと(地方在住のため)インタビューが叶ったトムさんの話は、Life Insiderで公開しています。

(2023.11.30)

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