見出し画像

ノンアルだと乾杯できない?ハイネケンの動画が伝える「見えない差別」

クリスマスパーティ、そして忘年会シーズン。今年は4年ぶりに開催される会も多いのではないでしょうか。そう思いながらBusiness Insider Japanのトップページを眺めていたとき、この見出しが目に留まりました。有料の翻訳記事です。

ハイネケン、数百万本のノンアルビールを無料配布へ。健康志向のZ世代の心をつかめるか

ハイネケンと聞くと、2017年公開のキャンペーン動画「Worlds Apart #OpenYourWorld 」を思い浮かべます。「価値観の違う他人と仲良くなれるか?」をテーマにしたこの動画は、日本でも話題になりました。

例えば、フェミニストと反フェミニズムの二人がお互いのことを知らないまま出会う。共同作業をした後、お互いの素性を知らされ、気まずい雰囲気になったところに2本のハイネケンが出される。乾杯する?それとも飲まずにその場から立ち去る?

上述の記事を読んで、きっと今回もキャンペーン動画を作っているに違いないと思ったら、やはりありました。「Cheers with No Alcohol. Now You Can.」です。

古代から遡って中世ヨーロッパのサロン、昭和ニッポンの職場飲み会……さまざまなお酒の場で飲まない・飲めない人が肩身の狭い思いをしてきた、でも今なら堂々とこのハイネケン0.0で乾杯できるよ!と伝える動画。グローバルで流されていることからも、同調圧力が日本だけではないことが伝わってきます。

アルコール、ノンアルに限らず味や喉ごしの訴求が多い日本のCMとは対照的に、この動画にはハイネケン0.0の味についての言及はありません。

ノンアルを選ぶと居づらいなんてことは私の周りではありませんが、酒の場に限らず、きっと似たようなことはそこかしこにあるような気がします。
やさしさがめぐる社会への後押しをするブランドを選びたい、改めてそういう気持ちにさせてくれる動画でした。

(2023.12.21)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?