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「意外」が生み出す効用

「予想通り」というのは、意外性がなく印象に残りづらいもの。会話の中で想定外の答えが返ってくると、「意外だな」と思い、忘れられなくなる。

先日、育児相談で助産院へ行った。助産院は落ちついた色の外観で、住宅地の中で存在感のあるデザイン。
対応してくれたのは50代半ばほどの女性である。

育児について、一通り話した後の会話で、
「助産院を開かれて、長いんですか?」と聞くと、「建物は住居を兼ねていて、住み始めて6年。開業して1年半よ」と女性。

「素敵な建物ですね」というと、
「バーでナンパしてきた人がインテリア関係で、手伝ってくれたのよ」と女性。

私は一見おちついた印象の女性の口から、「バーでナンパ」の言葉が出てきたことが意外で驚いた。
「バーでナンパ」の印象がつよく、数日頭からその女性のことが離れなかった。人の意外な一面は、その相手を少しずつ知っていく機会になる。

そして相手の人がオープンに話してくれたときに、知ることができる。人の意外な面を知るのは、自分だけの秘密を持つような特別感があり、何ともいえない嬉しい気持ちもある。
「意外」と感じ、心に残ることは、新しく出会ったひとだけでなく、家族や友人でも見つけることができる。

そういえば最近、家族や友人の「意外」な一面を見つけられていない。新たに知っていく気持ちを持って向き合い、「意外」と感じるちょっとした秘密を見つけてみようと思う。

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