お子さまを理屈抜きに応援できるのは、お家の方だけ【6年生塾生保護者様向け転載】

時の経つのは早いもので、もう11月も半ばです。少し肌寒くなってくるこの時期を迎えると、いよいよ入試も迫り来るな、と毎年清新な気持ちにさせられます。


さて、先日の授業中に「志望校の上げ下げの話、家で出てるか?」と問いかけたところ、気まずそうにうなずく者数人。また、機を一にして、講師会議でも面談を前に、同じ話が理事長の前田からもありました。

端的に申しましょう。子供の出してくる偏差値は、気分・体調・頭の回転ひとつで平気で5から10は波打ちます。特に現代っ子に多いのが、一科目目の不調をママ引きずり、4科目戦いにならないまま終えてしまう状態です。ど根性、猛烈な自信が足りない。

では、それはどこから生まれるのか。点数がずっとよければ自信の一つや二つあるでしょう。しかし、そのようなお子さんは居ないに等しい(なぜなら各々のゴールは違えど、どの子にとっても完全に安全な第一志望校などないからです。皆実力100%以上の学校を第一志望になさっています。そのような意味で中学受験というのは非常に公平な世界です=三浦しをん的な意味です)。

肉体的・精神的に未完成な子供達の自信の源泉は、周囲の大人の支えにあります。

大人の出来ることは、気持ちよく送り出すこと。そして一科目くらい躓いたとしても、貴方なら大丈夫。なぜならうち(家庭+希)の子だから! という、エビデンスのない盲信に近い言葉で、子供達の精神的支柱であることです。

志望校選定は、夢追い人・特攻ではいけない、これは当然です。データも重要です。また、大人のエゴイズムの極端な発露であってもいけません。
しかし、子供達の視座に立って、今まで追い求めていた目標を、唐突に奪い去られる心境を、一度エンパシーを持って想像してみれば、大人のさじ加減一つで志望校を左右することの危険性にお気付き頂けるのではと信じております。
子供をデータ主義に染めたところで、奮起・爆発的成長は望めません。こんなに若いうちから、つまらない枠にはまった勤労青少年・少女を作ってどうするのかと申し上げたい。

中学受験の目的を、私共なりにもう一度、定義しておきたいと思います。
○受験への過程を通じての成長
○多感な6年間を過ごす環境を選択する(家庭の方針+子供の思い)
○成功体験(合格)
○ない方が良いですが、挫折・失敗体験

今、第一志望校合格へ向けて、どのお子さんも日々邁進なさっています。大人から見れば足りないこともあるでしょう。そんな時は、自分たちが11,12歳だった頃のことを、胸に手を当てて、そっと思い出して頂きたいです。
お家の方の「大丈夫、あんたは最後まで戦い抜け!」「何があってもうちの子は大丈夫」「不合格よりも恐ろしいのは挑戦しないこと」「こんなに一生懸命目指して、入れてくれなかったら、その学校、見る目無いね!あんたは最高の子供や」が子供達には必要です。

我々も褒めます。しかし、子供達が一番褒めてほしいのは、お家の方にです。試験場で「両親・今まで支えてくれた人のために頑張ろう」と思えることは、限りない強さを生みます。

また、その前提があってこそ、我々は遠慮せずに「学問の面で」お子さまを叱り飛ばせるのです。

明日、合格力判定模試・学校別テストをお受けになるお子さまが多くいらっしゃいます。大人の方も、送り出しの練習です。
ただし、ウソの演技は子供達に一瞬で露呈します。
「演技とは、本当の自分の延長上にしかないもの」。私の好きな俳優の言葉です。

皆さんしかお子さまを信じて上げられません。まずは、腹の底から、大切な大切なお子さまを信じて上げて下さい。そして、今まで頑張ってきたことを褒めて上げて下さい。
そして、試験場で困っても、外から念を送っているからね、困ったら私たちのことを考えなさい、と言って上げて下さい。

そして、そう仰った時に子供が安心する、そんな親子関係であってください。


「明日は2月1日」。本番です。笑顔で送り出すのみ。帰ってきた子供を抱きしめるのみ。家庭は、闘う戦士達を癒す場であってほしい。
清新な気持ちで、臨みましょう。

塾生全員第一志望校絶対合格。

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