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社畜4年、ニート2ヶ月、就活2週間。

「もう一生、就活なんてしない!」

大学4年の秋、やっと内定が決まった時に思ったのは、そんな固い決意だった。
友人たちの中でも内定が出たのがかなり終盤組だった私。学年でも後ろから数えたほうが早いくらいギリギリのタイミングだった。

志望したのはマスコミ・出版業界。狭き門であることは最初から理解していたつもりだったが、ここまで決まらないとは想定外。「もう少し幅を持たせて就活をしなさい」「他の業界も受けておきなさい」という教授やキャリア担当者の助言を無視し続けたことを少し後悔したりもした。

頑なに業界にこだわり、続けた就活の結果は「お祈りメール」の連続。その後、最後のチャンスかもと行き当たりばったりで応募したある地方新聞の選考に合格し、希望だった記者に。なんとか就職浪人をせず大学を卒業することができた。

内定通知が出たのは、学園祭の前日。気楽に模擬店の店番をしながら就活を振り返り、冒頭の言葉を強く心に誓った。


そんな私が想定よりも早く"また"就活をすることになったのは、新卒入社4年後。
業界柄ゆえか男性主導の気質、セクハラ、働きに見合わない給与等…最終的には若手の意見を聞かない会社幹部への不信感が拭えず、瞬間的に退職を決意した。

その後は有給消化と残りの代休で2ヶ月間の完全休暇。サブスクでドラマ・映画三昧、お昼寝し放題、ご飯はデリバリー、最高のリフレッシュ期間だった。
有給も消化し、完全退職をした翌日、さすがにお尻に火がついた。「生活のために仕事をしないと…!」。とりあえずハローワークで失業保険の手続きを行い、就活サイトに登録。4年ぶりに利用した就活サイトはコロナ禍でweb面接を打ち出している企業も多く、時代の流れを感じた。

就活2週間で再就職

人生って分からないなと思うのはこれからだ。
「僅かばかりだが退職金も出たし、1〜2ヶ月を目処に再就職先を見つけよう」。そう思っていた矢先、なんとなく目に止まった不動産会社に応募。
応募の理由は、①資格手当があること②社員の平均年齢が比較的低いことーの2点だけだった。

運良く、書類選考を突破。3日後に面接が決まり、気付けば面接から5日後には初出勤していた。
2ヶ月社会生活から離れていた体は、通勤電車と8時間労働で疲労困憊。自炊する気力もなく、1ヶ月間の晩ごはんはほぼ冷凍うどんだった。

初の営業職ということもあったが、前職での経験が幸いし、あまり苦労することなく研修が終了。それからは本格的に社員として働いてきたが、同時期に入社した同期たちは次々に去り、その後入社してきた数ヶ月差の後輩も数人退職していった。新卒入社した業界がブラックだったからか、ストレス耐性が割と強いらしい。有り難いことなのか良くないのか…。

転職、基準はそれぞれ。でもお金はやっぱり大事。


再就職から約1年が経過したこの夏。
また本格的に転職を考え始めている。
面接、新しい環境、人間関係…いろいろ考えれば面倒で、あんなに「もうしたくない」と思ったはずなのに不思議なものだ。
自ら応募した会社であっても、中の人間になってみれば、残業の認定の不明確さ、手取り給料の低さ、同僚との関係など不満を挙げてみればキリがない。

20代後半を迎え、もう一度転職をするなら20代のうちにという気持ちも強い。今後のことを考えると貯金も計画的にしたいし、もう少し広い家にも引っ越したい、推しへの資金も確保したい…。
人生2度目の転職は、安定と生活水準を上げるための転職になりそうだ。

YouTubeを見るだけだった通勤時間も転職サイトを見る時間に変わった。スキルアップのためには勉強を始めようかと希望する業種に有利そうな資格と取得に必要な期間も調べている。

転職のセオリーはきっと、今の仕事をしながら並行して転職先を探すこと。内定が出たタイミングで退職届を出すのが一番安心な方法だ。

でもきっと、性格上それができないことも最初の転職で実感している。計画性があるようでないのだ。
おそらくまた、一気に決断して再就職を決めるのだろう。「少し休めればいいな〜」なんて楽観的に考えられるあたり、我ながらのんきだと思うが、せめてどこに進むかは迷わないように準備だけはしておきたい。

なにかをしたいと思った時に下調べから始めなくてもいいように、諦めなくてもいいように、闘えるだけの武器をちゃんと集めておこうと思いながら、明日も出勤するんだろう。

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