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ボールペン習字と私と。

ペンを持たずに1日が終わるのも珍しく無い昨今、鉛筆や消しゴム、万年筆の類いが家の中のどこにあるのかも忘れてしまっております。

固定電話の隣にひっそりとあるボールペンさえ使わない日も。

カバンの中からメモ帳もいつの間にか消えてるし‥

そりゃぁ、スマホで電話しながらスマホにメモ出来るし、スマホに話しかけるだけで文字に変換してくれたりもする。

もはや筆記用具が無くても不便を感じない生活を送れています。

そんなある日、なんの手続きだったか忘れましたが、市役所で所定の用紙に必要事項を書込み窓口に出して手続きが終わるのを待っていました。

「ペンを持つのもこんな時くらいだよな」

「それと、会社で日報を書くときチョットだけ使うか」

などと思っていると窓口から呼び出しが。

「おっ、やけに早く終わったな」

と窓口へ行くと、なにやら申し訳なさそうな表情で係の女性が

「スイマセン‥ここの欄に書いてある、この字とこの字、間違っているようなのですが‥」

なんと、小学校低学年で習ったはずの漢字を間違っていたのです。

そのことにショックを受けながらも、スマホに正しい漢字を表示させ書き直して手続きは終了しました。

”読めるけど書けない漢字”が自分にあることは認めていたのですが、まさか簡単な漢字さえ間違えるとは思いませんでした。

以前、家族から

「もう少し人が読み易い字を書いたら」

なんて指摘された事があったのですが、さして気にする事もなく聞き流しておりました。

しかし、その日の市役所での失態には少々心が折れました。

その週末、朝刊に入っていた折り込み広告の

「日ペンのボールペン習字講座」

の文字が目に止まります。

これまで幾度となく見ていた広告ですが、目を止める事なく他の広告に目を向けていました。

しかし、この時は市役所での失態が心に引っかかっていたのと、字の読み難さを指摘されたことを思い出して「ボールペン習字」の広告を開いてみました。

そこには、まずはひらがなから始めて丁寧な添削を受けながらステップアップしていく内容が簡単にまとめられていました。

「これなら続けられるかも」

さらに、その1ヶ月ほど前に行政書士試験の合格通知が届いていた事もあり

「今すぐ開業するつもりはないけど、習っといて損はないかも」

しかも、キャンペーン中で価格がいくらか安い事も私の背中を押しました。

ネットで申し込み「ポチッとな」‥

待つこと1週間、届いた教材はかなり重く、開けてみると10冊ほどのテキストに、添削を受けるためカリキュラム毎に送る提出用紙や封筒、講座の進め方を記したレジュメ、特典の万年筆などの筆記用具‥かなりのボリュームです。

早速第1回目のテキストを開くと、平仮名をいくつかのカテゴリーに分けて学んでいくものでした。

特典のボールペンでお手本をトレースして感覚を掴み、書いてみることに。

これが書けないんです!ホント書けない!

こうして私の小学1年生の文字の練習

「もじをかいてみましょう」

がスタートしました。

毎日少しずつ、手を震わせながら手本をトレースし、手本を見ながら書くを続けます。

そんな日々を送っていると、ただ書いているのと、きちんと書けていることの違いを実感できるようになってきました。

文字をきちんと書くことがだんだん楽しくなってきて1ヶ月‥

ひらがなの添削を受けるため、提出用紙に課題の文字を書き日ペンに送り先生の評価を待つ事1週間‥

‥添削を受けた私の平仮名たちが帰ってきました。

先生直筆の赤ペンで、ひらがなを書くときの注意点や、とめ、はね、はらいのポイントなどを優しくも的確に記してあります。

‥あれから1年‥

今では漢字の行書の添削を受けるまでに‥

お手本のようには書けませんが、字を丁寧に書くよう心がけてペンを持つと無心になれます。

iPhoneやMacBookなどの便利なツールを使うことと、字を丁寧に書くことを自分の中に共存させる事ができるようになった、ボールペン習字を学んで得た私の大きな収穫です。










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