イスラエル日記Day81「ただそれだけ」
朝8時、になる少し前。センターを出てバス停に向かって歩き始めてからふと気づく。
まぶしくない。
いつもなら外に出た瞬間、まぶしさに目がはっとする。エルサレムの白っぽい、ベージュの石でできた建物たちに強い日が差し込む。明るさが目に迫ってくる。たまらずサングラスをかける。横浜のイケてるおしゃれ眼鏡屋さんで買ったちょいくせサングラス。
今日だけたまたまなのか。少し秋を感じる今日この頃だから、季節の移り変わりを意識しすぎなのか。
にしても地球って動いているんだなと思う。
体は動いていなくとも、わたしたちは地球とともに常に回っているわけなので生きてるだけである程度疲れるはずだよなとも思う。
飛行機や電車移動で、ずっと座席に座っているだけで疲れるのはなんでだろうとずっと思っていたけど。体はとんでもない距離を、本来なら自分の力だけでは出せないスピードで動いているんだから、それはもうちゃんと疲れるはずだなと最近思うようになった。
さてさて、今日のウルパン。
9月から新しい先生になりました。バラという意味の名前を持っレベット先生。
常に落ち着いていて、ベテラン感が漂っている。
レベットはとにかく、話すこと聞くことを徹底的に大切にしている。
なので授業中ノートを取っていいのは、レベットが今書いてといった時のみ。レベットが話しているときや生徒が話しているときに書こうものなら瞬時に注意される。
「あなたたち、話したいんでしょ。だったら話すの、それだけよ。」と
できるようになりたいことがあるのなら、それをやる。話せるようになりたいなら、話す。なんてシンプルなことなんだろう。わたしのやりたいこと、できるようになりたいこと。それをやる。ただそれだけ。
レベットも鬼ではないので1つのテーマが終わると、書く時間をちゃんとくれる。質問にも答えてくれる。
とてもいい先生だ。
耳で覚えるから、以前より圧倒的に話しやすくなった。
「質問があります。ラバック(電車)とはなんですか?」
ってヘブライ語で聞くことができた。今までは、これなに?が精いっぱいだったのに。「イェシリ シェエラ、マ ゼ ラバック?」
レベットがなんだか嬉しそうにわたしの話すのを聞いてくれているのが感じられてそれも嬉しかった。
最後の1時間は、ロシア語メンバーとその他母国語メンバーにわかれた。
3人しかいない特別クラス。どんなことを勉強したいか聞かれて、レストランやカフェでのやりとりをやってみることになった。
ものすごい勢いで知らない単語がでてきて、てんてこまい。店員とお客さんにわかれて順番に。ただ教えられたことだけをやりたくなくて、注文されたメニューが売り切れですって言ってみたり。
レベットがなぜか、料理が全然来なくて店員に声をかけるというシチュエーションも教えてくれた。
「マ カ ラ!(What’s happen!) 」
ヘブライ語って一音で一つの意味を持ったりするので、シンプルな分、強めに聞こえるのよねん。
ただいま夜の8時近く。私の部屋のテラスにて。
徐々に外が暗くなると暗くなっていることに気づかない。しばらくして、手元が真っ暗なことに気がついた。
日が落ちるのが早くなった。すこしさみしい。
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