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マンガを語るときに思うこと

インターネット上でマンガ好きの人をよく見るし、博識かつ想いがあふれる文章を書く人ばかりで感心するのだけど、僕の身の回りにはそんなにいない。

例えばワンピースや鬼滅の刃までいくと、読んでいる人はけっこう観測できるし、話題として盛り上がれる。

しかしそれは、何千万何億部も売れないと、共通の話題として語ることはできないということでもある。

そもそもマンガ自体それほど皆読んでいない。これは、僕の職場が地方のテレビ局ということも関係あるかもしれない。しかし他の職種の友人も、知っているのは数百万部売れているジャンプ漫画が中心だ。

アニメ化していると、認知されている可能性がより高くなる。住んでいる場所が北海道なので、北海道に関係あるとさらに認知度が上がる。最近だと「波よ聞いてくれ」が当てはまるが、名前を知っていても実際にマンガを読んでいる人はやはり少ない。

ドラゴンボールやワンピースをちゃんと読んでおらず、どちらかというとみんな知らないマンガばかりを読んでいる僕は、少し寂しい。

みんな知らないといっても、だいたい単行本何十万部とかは売れているので、僕からすると相当メジャーで、ネット上ではかなりの人気を誇っているように見えるのだけど、残念ながら世間の大部分はそうは思っていない。100万部売れていたって、単純に計算すれば日本で100人に一人しか読んでないわけだし。複数巻に分散されているとすれば、もっと少ない。

菅田将暉さんだのケンドーコバヤシさんだの知名度のある人々がマンガ大好きだと言って市民権を得てきたように感じても、マンガって、当たり前に読まれているわけじゃないのだ。

「キングダム」や「ゴールデンカムイ」くらいでやっと多少話題のきっかけになるだろうか。「ハイキュー」が微妙なラインだ。人の属性にかなり左右される。「ちはやふる」とか「ザ・ファブル」といった、映画化しているものは話しやすい。「ブラックジャック」「火の鳥」あたりの手塚治作品だったら、たとえ読んでなくても話題に出していい雰囲気はある気がする。

正直、「鬼滅の刃」があれだけ売れて、なぜ「チェンソーマン」を読まない!?同じジャンプなのに!と思ってしまう自分がいるが、そんなこと言っても仕方ないのだ。僕のワガママでしかない。いやマジで、ワンピース読んでないやつが言うことじゃないね。

そもそも作品の種類が多すぎるというのもあるだろう。「イッテQ」の話をするくらいには気軽に「僕ヤバ」の話をしたいので、オススメして貸したりするのだが、人によっては読むのにそんなに気軽に時間を割いてくれない。

(ちなみに「僕ヤバ」とは、「僕の心のヤバイやつ」の略。陰キャの男の子と陽キャの女の子、対照的な二人の中学生が織りなすラブコメである。推しに抱く“尊い”という感情を、僕が30歳にして初めて知った作品)

いちマンガ好きとしては、周りにもっといろんなマンガを知ってほしい。もちろん僕自身も知りたい。知っているけど読んでないものが、人生かけても読み切れないくらいにはなっているような気もするが。

というわけで、何か紹介しようと思うわけです。

現在進行形で読んでいるものだと「ブルーピリオド」「ブルージャイアント」「チェンソーマン」「望郷太郎」「終末のワルキューレ」「オオカミライズ」「もののがたり」・・・・・いやもういっぱいあるわけだが、けっこう皆さん紹介しているので、ひとまず置いておく。

いろいろ検索していると、昔読んでいたマンガで最近続編が描かれているものがあった。色々思い出したので、こちらを紹介してみる。

TWIN SIGNAL(ツインシグナル)

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ガンガンで連載されていたのはもう20年くらい前か。「鋼の錬金術師」より前に、「突撃!パッパラ隊」「ハーメルンのバイオリン弾き」「魔法陣グルグル」「南国少年パプワくん」など共にガンガンの一時代を支えていた作品だ。正直うろ覚えなので若干年代が違うかもしれないが、どれも僕が小学生時代に読んだ記憶がある(こうして並べると、あとで続編が描かれているものばかりだ)。

「ツインシグナル」は、とある町で天才によって開発された最新人型ロボット・シグナルを中心に描かれる。開発者の孫である少年と触れ合いや、町の人とのドタバタ騒ぎなどを描いたコメディタッチの作品・・・・・・だったのだが、徐々にロボットと人間の関係性に重きを置いたシリアスな物語になっていった。

シグナルは通常時、背の高い長髪の青年姿なのだが、なぜか開発者の孫である少年がクシャミをすると、ちびっ子の姿に変身してしまう。開発者的にはそれはバグだと判断し、直そうと四苦八苦。そうこうしているうちに、別な開発者が自身のロボットを持ち込んで勝負を仕掛けてきたり、シグナルより前に開発された人型ロボットが洗脳されて襲ってきたり・・・・・・。

そんなエピソードが描かれるのだが、出てくるロボットたちは、この世界では当たり前のように人間くさく振る舞う。そうプログラムされているという設定なのだが、ロボットたちをあくまで道具として扱う人間も登場し、物語は人間社会から見たロボットの在り方にまで焦点を当てる。

珍しくないテーマだし、しっかり考察して矛盾なく構築されているというわけでもない世界観だが、描かれるロボットたちの関係はただ見ているだけで楽しい。

自立稼働するロボット自体は当たり前に存在する世界なのだが、精巧な人型ロボットは限られた数しか存在せず、アトランダム・ナンバーズと呼ばれ、作られた順番でまるで兄弟のようなつながりを持つ。人間とロボットの中間のような彼らのやり取りは、いま読んでも面白いと思う。

シグナルの開発者・音井教授には、ライバル的存在・Dr.クエーサーがおり、これは鉄腕アトムでいうところのお茶の水博士と天馬博士であり、ロックマンでいうところのライト博士とDr.ワイリーで、二人が開発したロボットたちは、戦うことになる。これが後半のストーリーだ。

ロボットを道具ではなく隣人として扱う音井教授のロボットたちと、あくまでロボットはロボットとして扱うDr.クエーサーが作ったロボットは、ある意味どちらも創造主に逆らう形でとても人間らしい姿を見せる。その姿もぜひ読んで確かめてほしい。

そしてこの漫画、26周年記念で現在続編がweb連載されている。四半世紀経っとんのかい。絵柄はだいぶ変わっていたが、更新が楽しみだ。



以下、そのほか昔読んだマンガを思い出した中で軽く紹介。

イレブンソウル

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人間が研究の不老不死の研究の果てに生み出した、遺伝子操作の産物が暴走し、「シャヘル」と呼ばれる存在として世界を侵略し始める。アメリカ大陸を制圧し、アメリカ合衆国は消滅。日本政府は対シャヘルのための機甲歩兵部隊(大きなパワードスーツみたいなものを操る)、通称「侍」部隊を組織して対抗する・・・・・・というのが簡単なあらすじ。ジャンルとしてはSFロボットアクションだろうか。ロボット好きなんですよね。

「ガンパレード・マーチ」や「マブラブ・オルタネイティブ」が好きな方はすんなり入れる世界観だと思う。残酷描写もあるので注意。


BREAK-AGE

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電脳世界を舞台に、 自ら作成したデータ上のロボット(VP)に搭乗し、 戦いを繰り広げるゲーム 「デンジャープラネット」に熱中する若者たちの話。

例えるとデータ版プラモ狂四郎? 自作のロボットデータをゲームセンターに持ち込み、ロボットの操縦席のような筐体で他のプレイヤーと対戦するという、戦場の絆をよりリアルにした感じのゲームがとても流行っている世界で、最初はいちプレイヤーだった主人公が、とあることからゲームを開発している企業の内側にまで踏み込んでいったり、企業同士の争いに巻き込まれたりします。

ロボット好きなんですよねパート2。でもロボットものというより青春もの。しょっぱな「勝負に勝ったら付き合って」みたいな話なので。あとは、“遊ぶ”“遊んでもらう”ということについて一生懸命な人たちの話でもあるかも。


レヴァリアース

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王道ファンタジーの世界観。主人公のウリックが、魔法使いのシオンと妖精レムと一緒に、兄の仇とされる邪神竜ディアボロスを倒す旅をする。

傍若無人な俺様キャラのシオンが魅力的。いやだいいやだい!
愛蔵版が全2巻なので読みやすい。最後はせつない。刻の大地という世界観を共有した作品があるが、そちらは未完で連載がほぼ止まっている。


3×3EYES

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けっこう長期連載で、一時期メディアミックス展開もされていたので、有名な作品かと思います。最近続編も連載されている。

三只眼吽迦羅(さんじやんうんから)という三つ目の妖怪であるヒロインのパイが、ひょんなことから彼女と一心同体の不死人「无(ウー)」となってしまった藤井八雲と共に人間になるため冒険をする物語。コピペのあらすじですが。

主人公の八雲、不死とはいえよく体を吹き飛ばされたり粉々になったりする。不死身ってなりたいと夢見たこともあったけど、かなり辛いんじゃないかなあとふと思った作品です。獣魔術が好き。出でよ光牙!


なんか改めて検索したり思い出したりしていると、こんなに読んだのか!とも思うし、全然読んでないな!とも思うし、読んでも覚えてないのばっかりだし・・・・・・。これからもそんな感じで忘れては読んで、読んでは忘れていくんだろうなあ。

昔読んだマンガを読みなおしたいんですが、kindleとかでもっと安く売ってくれないものか。アニメ化する「ダイの大冒険」とか。

マンガについてはもう永遠に付き合っていきたい趣味なので、これからも布教活動ぼちぼちやっていこうと思います。


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