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広州・深セン訪問記

2019年10月19日(土)から22日(火)にかけて、中国の広州・深センに行ってきました!訪中は2015年の北京・上海、2017年の上海以来3度目ですが、広州・深センはいずれも今回が初めての訪問です。広州に駐在している友人夫婦を訪ねるのが最大の目的だったのですが、友人とその同僚の計らいで、深センにあるテンセント本社とファーウェイの本社、隣の東莞市にあるファーウェイ新社屋に行き、それぞれの社員の方に案内をいただきながら色々な話を伺う機会がありました。今回はその訪問について書き記します。

テンセント

決済業界に身を置くものとしてまず行ってみたかったのがテンセント。WeChat(SNS)やWeChatPay(決済)の提供会社です。WeChatPayがどのように広がっていったのかは日本にいてもある程度知ることはできるのですが、やはりどんな目標や方針、環境で会社が運営され、社員が働いているのかまではなかなかわからなかったので、とにかく楽しみにしていた訪問でした。

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オフィス内の写真の掲載は控えますが、金融よりはSNS事業やゲーム含むエンタテインメント事業の性格が濃いオープンな印象のオフィスで、個人的にはソニーのプレイステーション事業の西海岸オフィスに近い雰囲気のように思いました。
もちろんオフィス内すべてを回ったわけではないのですが(50階くらいまであったので無理!)、中でもジムやカフェ、図書スペースなど従業員がリラックスできる場所がかなり充実していることが特徴的でした。友人と話したのですが、日本ではワークライフバランスに関して、なるべく残業をしないための方策を考える企業が最近は多いと思います。テンセントの場合はどちらかと言うとオフィスに居てもリラックスできる環境を整えていて、「全力で会社に貢献してほしいから、うまくリラックスしてね!」というメッセージを感じました。実際、案内いただいた方も「ストレスがかかる仕事なので、オフィス内でそのストレスを発散できるようにしている」とおっしゃっており、平日は夜遅くにオフィスの前にタクシーの行列ができるとのことで、ハードワークをすることがまず根底にあるようです。ちなみにオフィス内にはバスケットコートや陸上トラック(!)もありました。また福利厚生が54個あるようで(トランプの札に例えていた)、中には期間限定無金利ローンのようなものも存在するようです。

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上の写真は本社の敷地内にあるカフェ兼グッズ売り場の一角です。

ファーウェイ

テンセントの次はファーウェイを訪問。

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本社の敷地内にある池にはブラックスワンがいました。ブラックスワン=予測できない事象や危機を指すこともあり、最近のアメリカとの貿易問題でこのブラックスワンが少し話題になっていました。
日本だとファーウェイ=スマホの会社、というイメージが強いかもしれませんが、実際には通信機器等のB2B商材がメインの会社です。そのあたりは事前に記事やCEOに関する著書から学んだ上で訪問しました。

深センにある本社と隣の東莞市にある新社屋の両方を訪問し話を聞きました。製品の展示スペースも案内いただき、数万人が在籍しているR&D部門に大変自信を持っていることがヒシヒシと伝わってきました。
働き方の面で言うと、やはりファーウェイも根底にはハードワークがあるようです。特にファーウェイの文化は中国の新興企業の中でも独特で、他社を経験しているとなかなか馴染めないことが多いので、新卒採用にとても力を入れているとのことでした。本社の一角にかなり立派な研修専用の棟があったのですが、昇格のためのリーダーシップ研修等の実施だけでなく、新卒社員もまずはそこでみっちり勉強をするようです。日本でも一時期初任給が話題になりましたが、給与面の他にも社宅の提供のような福利厚生が手厚く準備されていて、実際新社屋の近くのとある高層マンション一群の多くはファーウェイのものだとも聞きました。

2社のオフィス訪問を経て感じたことを2つの単語にまとめると「ハードワーク」と「働きやすい環境」になるかと思います。それぞれの会社に務める社員の方は自身が勤める会社に誇りを持っており、その中で働くことができる幸せを強く感じているような印象でした。日本人は勤勉だとよく言われますが、個人的には中国新興企業の従業員も負けていないか、それ以上なのではと感じています。実際、2社のオフィスを訪問した最大の収穫は「自分ももっと頑張らなければ」という危機感を得られたことだと思います。

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ちなみに上の写真2枚はヨーロッパの街並みではなく、ファーウェイの新社屋のその敷地内を走る電車です。ハウステンボスではありません。笑
どんな場所かは以下の記事からもわかると思いますが、一般公開はしておらず、社員の家族かゲストでないと入れないとのことです。

中国の決済

移動中の車内で「何で日本人ってテンセントについてそんなに知りたがるの?」と聞かれ「僕の場合決済業界にいるからWeChatPayが特に気になる」と答えたのですが、彼女曰く「中国市場中心のテンセントより、グローバル展開しているファーウェイの方がよっぽど興味深いと思うけどね」とのことでした。これは本質を突いてるかもと思ったのですが、というのも旅行中はとうとうVisa/Mastercardを利用する機会はありませんでした。そもそもロゴ自体を空港以外では見かけておらず、Alipay/WeChatPayがほぼ100%、銀聯が5割という感覚でした。友人がWeChatPayのアカウントを持っていたので大丈夫でしたが、私はひたすら立て替えてもらうしかありませんでした(もちろん最後にKyashで精算しました。笑)。なお、同僚のnote曰く約1年前は日本人でもWeChatPayのアカウントを作ることができていたので、この1年で規制が強まったものと思われます。噂には聞いていたのですが、実際に自身が外国人として訪中するとなかなか不便でした。

Alipay/WeChatPayのことを、外資系企業の参入障壁が高く且つ人口が多いから伸びた決済サービスと言うのはさすがに極端かもしれないですが、国家的な背景の違いは大きく影響としていると思います。一方でDiDiやMobike, luckin coffee等決済アプリと連動しているからこそ便利なサービスがたくさん存在したのも事実なので、UI/UX含め見習うべき点も多くあると感じています。

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日本でも「QRは導入が簡単」「でも利用者はSuicaのようにかざすだけの方がいい」といったインターフェイスの話になることがよくあります。中国でもQRだったものがだんだん顔認証含む生体認証に移行し出そうとしているように、インターフェイスは時代に合わせて変わりゆくものです。重要なのはどんなインターフェイスでの決済であれ、「どの口座/財布にあるお金が使われたのか」だと思うので、決済業界に身を置くものとしてはメインで選ばれる口座/財布になるための機能、インセンティブ、サービス連携等を引き続き追求していきたいです!

なお「食在廣州」(食は広州にあり)と呼ばれるように広州(広東省)の料理は本当に美味しかったので、興味がある方はぜひ行ってみてください!直行便もありますよ。

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nozomu

Kyash ID: nozomu1122

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