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アマゾンという組織について

派遣社員を無下に扱い、あまり評判が良いとは言えないアマゾンだが、一方で事業は順調に伸ばし、規模を拡大し、優秀な人間が集まっている。そんなアマゾンはどのような者が評価され、役職者になるのか、どのような組織なのかについて知りたいと思い「amazonの絶対思考」を読んでみた。


求められるリーダー像

雇用する人材・既存の社員にはカルチャーへの理解と実践が求められる。
「努力と根性」は通用しない。
データをとことん分析しオポチュニティー(機会・好機)を探し出し、システムや仕組みのイノベーションによって自動化、効率化を進め、何事にもスケーラビリティ(拡張性があり大規模ににしてもコストが規模に比例して増えないこと)が基準となる。
Leadership Principlesはアマゾンはこうあるべきを定めている。

Leadership Principles

1. Customer Obsession
カスタマーを起点に考え行動する。

2. Ownership
長期的な視野で考え、短期的な結果のために長期的な価値を犠牲にしない。会社全体のために行動する。

3. Invent and Simplify
チームにイノベーション(革新)とインベンション(創造)を求め、常にシンプルな方法を模索する。

4. Are Right, A Lot
多くの場合正しい判断を行う。

5. Learn and Be Curious
常に学び、自分自身を向上させる

6. Hire and Develop The Best
全ての採用や昇進において、パフォーマンスの基準を引き上げる。

7. Insist on the Highest Standards
常に高い水準を追求する。

8. Think Big
大きな視野で大胆な方針と方向性をつくり、成果を導く。

9. Bias for Action
ビジネスにはスピードが重要。

10. Frugality
倹約の精神は創意工夫、自立心、発明を育む源となる。

11. Earn Trust
注意深く耳を傾け、率直に話し、人に対して敬意を持って接する。

12. Dive Deep
常に各業務に気を配り詳細も認識する。メトリクス(定量化したデータの指標)と個別の事例が合致していない時には疑問を呈する。

13. Have Backbone; Disagree and Commit
信念をもち、容易に諦めず、安易に妥協して馴れ合うことはしないが決定されたら全面的にコミットして取り組む。

14. Deliver Results
ビジネス上の重要なインプットにフォーカスし、適正な品質で迅速にそれを実行する。消して妥協はしない。


文化

・地球上で最もお客様を大切にする企業であること
・オンライン上で求められるあらゆるものを探し、発見でき、購入できる場を作り、できる限り安い価格で提供できるように努力する
を達成するために目標が設定される

ビジネスファイナンスとして担当事業部で進行中の様々なプロジェクトについての目標に対する進捗管理、監査を含む予実管理、新規プロジェクトを含む次年度予算の数値的な実効性の精査を行うファイナンスパートナーが各事業部に配属される。


階層

アマゾンジャパン7,000人、世界では約65万人が正社員

レベル1〜2:
倉庫などで出荷作業などに従事する派遣、契約社員など

レベル3〜5:
正社員。

レベル6:
マネージャー、

レベル7:
シニアマネージャー、事業本部長

レベル8:
ディレクター、事業本部長

レベル9
ない

レベル10:
バイスプレジデント

レベル11:
シニアバイスプレジデント

レベル12:
ジェフ・ベゾス

米国本社のシニアリーダーシップチームメンバー(経営会議メンバー)はレベル10と11のメンバーで構成

各国のLeadership teamと呼ばれる経営会議メンバーもしくは役員はレベル8と10の各事業本部の統括者

ヒエラルキーは明確。日本と海外でのその階層に差はない。海外からでも上のレベルの者の命令は絶対。

決裁者であることを徹底することで必ず情報が集まるようにしている

採用

採用候補者はLeadership Principlesの14項目を担当する項目に分けて採用責任者に依頼する。

採用人数は部署ごとに予算審議を経て割り当てられる。

採用ポジションの上司は採用責任者隣自分で直属の部下となる人材を採用していく。

最終面接には必ずBar raiser(バーレイザー)という社内資格を持つスペシャリストを含める。Bar raiserは採用の「バー(基準)」を常に「レイズ(あげる)」しクオリティを維持するための管理者の役割がある。客観的な判断のために別部署のBar raiserに面接を依頼する。

評価

・ゴール設定に求められる「SMART」

・リーダーシップ・プリンシパルをベースとしたその人のリーダーシップ、仕事の進め方の評価

・評価は3段階
・評価は直属の上司、同僚や部下、仕事で関係した社内他部署の担当者など360度からのフィードバックが加味

・成長性

メンバーの成長性も重要視


まとめ

基準となるリーダーの思考を明確にし、大きい規模であることから権限の移譲を進め、アマゾンにとって適切な人間が採用・評価される仕組みが整われていつつも今でも試行錯誤が継続していると思われる。完成するタイミングはないし、会社も常に変わるので改めて会社が残って欲しい者がきちんと評価され役職者になれるような仕組みは必要であると感じた。

よかったら読んでみてください。

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