コーポレートファイナンスとは
コーポレートファイナンス、という言葉をよく見かけるようになってきた。企業が資金調達することに関する内容だろう、というのは予想できるが実際何を指すのだろう、ということで以下の本を久しぶりに読み返してみた。
コーポレートファイナンスは、単純に企業と調達に関連する事柄、という内容である。
株主が関連するから、インベスターリレーションズ(IR)、議決権による経営陣の選任、コーポレートガバナンスとその強化が重要な要素になる。調達した企業にとっては、投資利益率や調達後の運用方法、各ステークホルダーに説明するための体制、調達方法、社員との関係が重要である。
大きく二軸でそれぞれの要素を深堀するとさらに専門的な内容になっていく。
資本コスト=負債の期待収益率と資本の期待収益率の加重平均
資本コストの話は債権者と株主で求めるリターンとリスクが異なるからそれに見合う利益を還元しなければならない。債権者は株主より優先して回収することが可能であるから、得られる利益も株主より低くなる。これが期待収益率である。債権者の期待収益率と株主の期待収益率を加重平均したものが資本コストである。
WACC(Weighted Average Cost of Capital)= 負債比率 * 負債コスト + 資本比率 * 株式コスト
負債(の資本)コスト = リスクフリーレート + a
株式(の資本)コスト = リスクフリーレート + β * マーケットリスクプレミアム
キャッシュフローの割引現在価値
調達して投資をする意思決定をするにあたって投資額以上回収することができるのかを検討するために幾つかの方法がある。
DCF法
配当割引モデル
定率成長配当割引モデル
サステイナブル成長モデル
WACC<投資利益率で投下資本を超える
企業の投資決定
投資機会に投資の意思決定をする場合いくつの決定手法がある。主な方法は以下のとおり。なお、投資判断の原則の考え方はあるが、プラスだからする、というわけではないことに注意。通常個社で基準がある。
NPV(Net Present Value:正味現在価値)
NPV>0→投資実行
NPV<0→投資見送り
IRR:(Internal rate of return:内部収益率)
回収期間
リアルオプション
状況に応じて規模拡大or規模縮小、延期、撤退など
企業の投資決定その他
NPVとIRRで異なる意思決定が行われる時があるが、通常優先されるはNPV
回収期間は資本コストが考慮されない
資本コスト誤ると投資判断を誤ることにつながる
過大投資(見送り案件に投資)や過小投資(価値創造の機会の逸失)
海外投資や新規事業は資本コストが上がる
金利が高い国で行うビジネスの資本コストは上乗せが必要。その銀行に預けておくよりも高い収益率を実現しないといけない・
資金調達と資本政策
資金調達は価値ある投資を実施するために行われる
負債と資本の構成比率で企業価値は変わらないけど負債の節税効果が加味されると変わってくる。
負債比率の増加はデフォルトリスクが高まる。
日本企業は節税効果よりデフォルトリスクを嫌う傾向がある。
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