見出し画像

学習指導要領を比べてみた(授業時数編)

学習指導要領の内容が増えたという意見があるので、比較してみることにします。

今回はわかりやすく授業時数編

扱うデータは中学校のものにします

昭和47年施行(5つ前)

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/s44j/index.htm

総授業時数は中1・2が1190時間、中3が1155時間となっています。
学校は35週で計算するので、1190 ÷ 35 = 34 時間が1週間あたりの時間数です。この時代は土曜日も授業があったので、月から金の6時間+土曜日4時間の34時間ってカウントなのでしょう。
あと、外国語の時間がないんですね。選択教科ってところが外国語なのかな。

昭和56年施行(4つ前)

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/s52j/index.htm

総授業数が1050に減る。一週間に30時間の授業数の計算。各教科の時間が少しずつ減っている形です。このときは、まだ土曜日授業があった時代なので、平日が5〜6時間、土曜日3〜4時間のような感じだったのかなと。ここまで外国語なし。

平成5年施行(3つ前)

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/h01j/index.htm

総時間数は1050時間のまま。1992年(平成4年)から毎月第2土曜日が休業日となった。1995年4月からは第2土曜日に加え第4土曜日も休業日扱いに。平日が5〜6時間、土曜日3〜4時間のような感じで、実施しながら、土曜日の授業数の調整をしてたのかもしれないですね。なお、ここも外国語の表記はなし。

平成14年施行(2つ前)

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/h15j/index.htm

総時間数は980時間。これだと週に28時間。6時間が3日と5時間が2日の計算だろうか。いわゆる「ゆとり世代」といわれる教育課程の時期。授業が減ったのは、2002年4月から毎週土曜日が休業日となり完全な学校週5日制となったことも影響があるはず。また、このときから総合的な学習の時間が加わり、外国語の時間が含まれるようになる。同時に選択教科が減る。

平成24年施行(1つ前)

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/h19j/index.htm

総時間数は1015時間。減ってきた授業数が35時間増加。週に29時間となる。これだと、6時間が4日、5時間が1日という計算になるんだろうな。

令和2年施行

https://erid.nier.go.jp/files/COFS/h29j/app1.htm

これは授業数に変更無しの1015時間。道徳の扱いは「特別の教科である道徳」となっている。いわゆる道徳の教科化。でも、大きな変化は無し。

まとめ

授業時数の変化を見ていくと、
昭和47年 週34時間 → 昭和56年 週30時間 の変化が一番大きいですね。土曜日の授業がなくなったわけではないけれども、減らした形なのかな。将来的に土曜日授業をしない方向にするために、30時間設定にしたのかもしれないですね。丁寧に調べてみたら何か背景があるのかもしれません。

いわゆる「ゆとり世代」と言われた時代の授業時数が少ないというけれども、週で換算したら1時間少なかっただけなんですよね。比べてみたら、あまりかわらない気もしています。それ以上に、その時代の総合的な学習の時間に「70〜130時間」といまと同様かそれ以上に授業時数が割り当てられていたんですね。探究が大切といいながらも、週2時間の確保だけなんですよね。このあたりをもう少し増やして、いわゆる教科の授業時数を少し減らしてもいいんじゃないかと思うんです。

あとがき

調べてみたら、知らないこともあって面白いです。これ。各教科ごとの書かれていることも比べてみようかなと。感情でいうのではなく、事実から淡々と考えたい。


いただいたサポートは、誰でも教員と会って話せる『会いに行けるセンセイ』の活動に利用させていただきます。