マガジンのカバー画像

紫式部に近づきたい

31
いろいろな方向から紫式部と『源氏物語』に近づいてみます。ぜひ、ご一緒に。
運営しているクリエイター

2024年1月の記事一覧

紫式部に近づきたい 結婚(1)

紫式部に近づきたい 結婚(1)

ツンデレ紫式部

「ツンデレ」。短大の授業で百人一首の周防内侍の歌を解説したときの学生のコメントに、「ツンデレな解釈がおもしろかった」とあって、ツンデレって何?と思ったのが、この言葉を意識したきっかけです。

この説明によると、紫式部は「ツン多め」かな。

紫式部と藤原宣孝との、結婚前のやりとりを読んでいきましょう。紫式部、はじめは自分の歌ばかり並べていますね。

996年の秋、紫式部は国司となっ

もっとみる
紫式部に近づきたい 女ともだち(1)

紫式部に近づきたい 女ともだち(1)

紫式部に近づくには

読者が自分自身にひきつけて自由に解釈できるのが、古典の魅力。古典は楽しくなくっちゃ。

2024年の大河ドラマの主役が紫式部に決まって、続々と関連本が出版されています。えーっとこの本の広告では、

紫式部の裏の顔は「マイナス思考で/激ネガティブな/コミュ障」

この評価はわりと一般的だけど、ほんとにそう?

だれかの解釈をまるごと受け入れるのはつまらない。可能なかぎり、生の資

もっとみる
紫式部に近づきたい 女ともだち(2)

紫式部に近づきたい 女ともだち(2)

紫式部悩みの相談室

紫式部に近づきたい 女ともだち(1)では紫式部集1、2、6、7番の歌を読みました。紫式部と友達の和歌の贈答をさらに読んでいきましょう。

*詞書と和歌を現代語に訳しました。和歌の現代語訳の上の▼は紫式部が詠んだ歌、▽は紫式部以外の人が詠んだ歌です。

(八・九・一〇番)

ーー都から遠く離れたところに、行こうか行くまいかと思い悩んでいる人が、山里から紅葉を折ってとどけてきた

もっとみる