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馬場さんを信じろ

何もしない休日を1日は作ろうと思っていたので、それを実行することにした。
何もしないとはいっても一切布団から出ないとか、その場からまったく動かないとか、そこまで極端に走るわけではない。さしあたって「仕事」と「外出」はしない日にする、くらいのスタンスである。

起きる。朝食をたべる。
スマートスピーカーに好きな音楽を流してもらいながら、その辺のカゴに放り込まれた衣類を仕分けして不用のものを断捨離する。
20分くらいその作業をして、処分できた衣類は指定ゴミ袋1.5個分ほど。もっと時間をかければ断捨離対象物はさらに増えたかもしれないが、何もしない休日にそこまでやり込んだら何もしない休日ではなくなる。楽をすることを優先すべく適当なタイミングでやめておくことにした。

コーヒーをいれて、心を整えるため日常的にやっているゲームを計2タイトル、各20分くらいずつやり進める。ゲームをやり終えたところで、日課にしている運動がまだであることに気づく。
以前までは、寝そべってできるレッグクランチや足パカエクササイズを日課の運動にしていた。しかし先週、偶然「徹子の部屋傑作選」を見たことをきっかけに種目を変えてみた。
その日の徹子傑作選に、ある数十年前の放送分が含まれていた。その回でゲスト出演した故ジャイアント馬場さんが、「普通の人ならスクワットを1日50回正しくやり続ける位で十分健康にいい」と仰っていたのだ。

今でこそスクワットなんて一般人も普通にご存じのものだが、おそらく1990年代くらいの映像である。しかも仰っているのはG馬場さん、まさに鍛えることが即ち仕事の人だ。
その瞬間私は決意した、これはG馬場さんにあやかる以外の選択肢はない。スクワットを1日50回、もしくは20回×3セットやり続けてみよう。

そしてその日も私はスクワットを50回やった。正しいスクワットのフォームとリズムを動画で見てそれを真似しているので、20回1セットだけでもかなり追い込まれるやつだ。
3セットやるとかなり「やりきった感」が心を満たす訳だが、それでもスクワット1種目だけというのが心許なく感じてしまう。
そしてつい検索してしまう「本当にスクワットだけでいいのか→検索」。

馬場さんを信じろ。

スクワットを終えてヒーヒー言い始める頃、ちょうど昼食の時間になった。メニューは決まっている、昨日のカレーの残りだ。とはいっても昨日のカレーは横濱舶来亭のカレールーで作ったのでアホほどうまい。

食べた。うまかった。
上機嫌。

夕方までしばらく、UVレジンで工作をする。天気がいいのにカーテンを閉めなければならず、釈然としなさを薄墨のように心に漂わせながら作業をした。
蓋がミール皿状に凹んでいる懐中時計の蓋部分にレジンを流す。懐中時計も安くはないので失敗が許されず、めちゃ緊張しながら製作したが何とか綺麗にできた。
完成品は試作なので長期テストを兼ねて自分で使うのだが、すでに今からもう使うのが楽しみになる。

懐中時計が完成した頃には、もう夕食タイムだった。外出しないと豪語したが、あまりに空腹なためそんなものは忘れてコープへ買い物に出たら、夜になって半額に値引きされた寿司があった。

勝った。

普段なら休みに何もしないと罪悪感しかなくなるが、今日はこの寿司とビールで全部相殺である。

ビール最高。

いやー何もせずに過ごすと割と本気でつまらんことしか書けないな。何もしなくてもネタが降ってくる体質になれないものか。いや、でもそれって多分「不運」ってことじゃん……。

とにかく今これを書いてる最中も猛烈に眠い。まったく活動的に過ごしていなかったのにこの疲れっぷり。心当たりといったらスクワットくらいしかないな。

馬場さんを信じて損はなかった。馬場さんありがとう、ありがとう馬場さん。

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